オーストラリアでは、屋根にソーラーパネルをのせて発電する「太陽光発電」がとてもポピュラーです。例えば、オーストラリアのクイーンズランド州では、住宅の1/3以上がソーラーパネルで発電をしています。この状況を大きなビジネス機会と見て、オーストラリア企業だけでなく海外の企業も、この市場に参加してきています。
本日付のThe Australian Financial Review紙によれば、この太陽光発電向けの蓄電池で、現在この業界をリードしている会社の一つであるテスラ社が参入するなど、競争が激化しているようです。 米国シリコンバレーにあるEnphase Energy社の共同設立者のRaghu Belur氏は、「オーストラリアへ2016年の初めごろに家庭向け蓄電池のビジネスで参入する予定だ。オーストラリアは、太陽光発電の余剰電力を固定価格買い取り制度と、実際にグリッドから購入した場合とで、(価格に)大きなギャップがある。」と話しています。 具体的には、グリッドから購入する場合の電気量は、余剰電力買い取りの固定価格の4倍以上高く、(発電した電気をグリッドに戻さず、蓄電して必要な時に自宅で使うようにできる)蓄電池市場は良いビジネス機会となると言います。 またテスラ社も、Powerwallシステム(壁掛け式蓄電池。7kWhと10kWh)を2016年に販売する方向で調整を進めているとのことです。 Bernstein Research社によれば、「テスラ社のこのシステムは、(オーストラリアの)余剰電力の買い取り価格とグリッドからの購入価格の差が1kWhで20セント(豪ドル)まで開いているので、5年でシステムの購入価格を回収できる」とのことです。 しかし、Grattan Institute社は、これに反論しています。テスラ社の蓄電池は、インバーター、充電装置や取り付け費用を合わせると、2017年までに$7,000豪ドルを超えると指摘。これでは高すぎるため、ブリスベン、アデレード、パースなどの都市で経済性を出すためには、$1,600程度まで下げる必要があり、他の都市では、もっと下げる必要があると話しています。 リチウムイオンバッテリーのコストは、1991年以降94%削減されました。このことも踏まえてBernstein社は、「技術が今後も競争しあうことで、今後もコストは1年毎に20%削減されていくことであろう。」と話しています。 日本のパナソニック社は、テスラ社のPowerwallシステムにリチウムイオンバッテリーを供給しています。パナソニックは、この分野でサムソンSDI社とLG Chem社と共に、世界の3強となっています。パナソニックは、家庭向け蓄電池をターゲットとして、オーストラリアの電力小売業者との提携を来週から開始するとのことです。 Ref: http://www.afr.com/business/energy/electricity/australia-primed-as-heartland-for-batterystorage-revolution-20150528-ghba6h
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