第4回:オーストラリアで労働者を雇用する(パート2:人を雇う、最低賃金)
オーストラリアの雇用基準について、前回簡単に解説しました。また、人を雇う際の注意事項をきちんと理解していることで、労働者を雇用する際の法的要求事項をきちんと遵守することが出来ます。
ここでは、従業員、コントラクター、実習生、研修生、海外からの人を雇用することについて、簡単に説明します。従業員を雇用する際ステップについては、以下のフェアワークオンブズマンのウェブサイトをご参照ください
http://www.fairwork.gov.au/Find-help-for/Small-business/hiring-employees
1. 従業員を雇う時にすべきこと:
- 提供される労働条件を差別する
2. コントラクターとの契約
コントラクターとは、自営業者であり、他の企業などのクライアントに同様のサービス提供の契約をしている人を言います。コントラクターは、従業員ではなく、一般的には従業員と異なった権利を持ちます。コントラクターと契約することは合法ですが、(実際の)従業員がコントラクターとして扱われるのを保護する法律があります。
従業員とコントラクターの違いを理解し、彼らに正しい権利を与えることは重要です。ABNを所有しており、支払請求書を提出するからといって、コントラクターとは限りません。人をコントラクターとレッテルを張ったり、コントラクターである旨の契約書に署名させたりしてはいけません。
Fair Work Act 2009では、次の事項は違法です。
コントラクターについての詳細は、Fair Work Ombudsmanの”Employment Section”を参照のこと:http://www.fairwork.gov.au/find-help-for/independent-contractors
3. 実習生・研修生を雇う
実習生と研修生は、雇用主のために、実際に仕事(現場)で働き、賃金を得ながら訓練を行う人を言います。実習生と研修生には2つの主な違いがあります。実習生は、専門職(熟練技術)の下で訓練を行い、正常に終了すれば、有資格の職人(技術者)になることが出来ます。電気、配管、キャビネット作りや自動車整備士などの職業は、実習(見習い)スキームの一つです。
研修生は、職業エリアで訓練している人です。職業エリアには、オフィスの管理(administration)、情報技術(IT)、ホスピタリティーなどがあります。訓練を終了すると、選択した職業エリアで最低でもCertificate Ⅱ(証書)が取得できます。
通学ベースの実習は、専門職で訓練され、正常に終了すれば、有資格の職人となります。生徒は学校を卒業するとき、彼らが資格を完了できるようにフルタイムまたはパートタイムの見習いに変更することができます。
通学ベースの研修が終了すると、選択した職業エリアで最低でもCertificate Ⅱ(証書)を受け取ることが出来ます。
実習生、研修生への支払いや条件は、国の雇用基準、適用される労使裁定、労働協約に基づきます。
実習生・研修生についての詳細は、Fair Work Ombudsmanを参照のこと:http://www.fairwork.gov.au/find-help-for/apprentices-and-trainees
4. 海外から人を雇う
すべての人が、(オーストラリア国内で)働けるわけではありません。例えば、いくつかのビザでは、非居住者は、オーストラリア国内で仕事をすることが許されていません。有効期限が切れているビザを保有している非居住者は、オーストラリア国内で、働くことが許されていません。
オーストラリアの企業は、不法労働者を採用していない、契約をしていない、紹介していないことを確認するため、きちんと適切な時間、措置をとることが求められています。
“VISA Entitlement Verification Online (VEVO)”は、無料のオンラインサービスで、非居住者が仕事をすることを許されているかをチェックする望ましい方法です。https://immi.homeaffairs.gov.au/visas/already-have-a-visa/check-visa-details-and-conditions/check-conditions-online
非市民は、ビザの条件に適合し、そのビザが終了する日付を認識する必要があります。ビザ保持者は、ビザが終了する前に、オーストラリアを離れるか、彼らが合法的に残るように、(ビザが終了する前に)新しいビザの申請を行うか、どちらかが求められています。もしビザの有効期限が切れた場合、まだオーストラリア国内にいると、違法な非市民となってしまいます。
すべての海外からの労働者は、働く権利のある有効なオーストラリアビザを保持していなければなりません。働く権利のある一時的なビザとしては、ワーキングホリデービザ、学生ビザ、サブクラス457ビザなどがあります。
雇用主は、すべての働いている人々がオーストラリア国内で働く権利を保持していることをチェックする責任があります。雇用主は、従業員から彼らのビザを確認するための了承を持っていなければなりません。
サブクラス457ビザ保有者のために、スポンサーをしている雇用者は:
5. 最低賃金
成人に対する国の最低賃金(毎年、7月に見直し)について、フルタイムの最低賃金は、時給$16.87、もしくは1週間当たり$640.90(2014年7月以降)です。
カジュアル(臨時雇い労働者)は、これに25%上乗せした、時給で最低賃金がカバーされています。
国の最低賃金は、労使裁定または労働協約によってカバーされていない従業員に適用される最低賃金です。これは、国全体の職場に関係する制度をカバーしています。
ほとんどの従業員は、労使裁定で最低賃率がカバーされています。労使裁定の下での最低賃金を見つけるためのツールや情報は、以下のウェブサイトの”Finding the Right Pay”のセクションをご参照ください:http://www.fairwork.gov.au/pay/national-minimum-wage/Pages/default.aspx
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この情報は、公共的にアクセスできる情報をベースにして経営管理の視点から提供するものです。法的アドバイスを構成するものではありません。この情報に依拠して法的意味のある何らかの行動を起こされる場合には、前もってお客様の特定の状況に応じた法的アドバイスを専門家からお受けください。
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This information is provided on the business advisory perspective only, with reference to the materials publically available. It does not constitute legal advice and should not be relied upon as such. Specific legal advice about your specific circumstances should always be sought separately before taking any action based on this information.
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ここでは、従業員、コントラクター、実習生、研修生、海外からの人を雇用することについて、簡単に説明します。従業員を雇用する際ステップについては、以下のフェアワークオンブズマンのウェブサイトをご参照ください
http://www.fairwork.gov.au/Find-help-for/Small-business/hiring-employees
1. 従業員を雇う時にすべきこと:
- (雇う人の)ポジションの説明を書く-ポジションについてのすべての責任、義務をリストにする。例えば、どのような技術や経験が従業員として必要となるか、従業員に依頼したい労働時間について。
- 従業員に適用れる、労使裁定もしくは労働協約について確認する。もし、どの労使裁定が適用されるか不明確な場合は、Fair Work Ombudsmanウェブサイトの”Award Section”にある”Award Finder Tool”を使用することで確認することが出来ます。http://www.fairwork.gov.au/awards-and-agreements/awards
- 従業員に適用される労使裁定、労働協約のどの分類かチェックする(例えば、Grade 2、Level 1)
- 労使裁定、労働協約の下で、どのタイプ(種類)の雇用になるかチェックする(例えばフルタイム、パートタイム、臨時)。
- 雇用のタイプ(種類)および提案されている(労働)時間に関連する条件について、労使裁定、労働協約をチェックする。例えば、罰則や残業が働いた時間に適用されるか、勤務時間と勤務日数は、書面で合意する必要があるか。
- Fair Work Ombudsmanのウェブサイトの”Pay Section”にある”Pay Check Plus”を使って、正しい賃率、手当を確認する。http://paycheck.fwo.gov.au/PayCheckPlus.aspx
- すべての新規従業員に、フェアワーク情報説明書(fair Work Information Statement)を提供する。フェアワーク情報説明書は、Fair Work Ombudsmanの”Employment Section”からダウンロードできます。
http://www.fairwork.gov.au/Employee-entitlements/National-Employment-Standards/fair-work-information-statement - 新しい従業員に対して、契約書を提供する。これは、法的に求められているものではありませんが、従業員に対して、条件や義務について通知するのは、良い取り組みです。契約書のひな形は、Fair Work Ombudsmanの”Policy and Guides”からダウンロードできます。
http://www.fairwork.gov.au/about-us/policies-and-guides/templates#employ
- 従業員の人種、肌の色、性別、性的嗜好、年齢、身体的または精神障害、配偶者の有無、家族や介護者の責任、妊娠、宗教、政治的意見、出身した国又は出身した社会を理由に、従業員に対して不利な行動を取るのは違法です。(採用されるかもしれない)従業員への不利益な行動とは、(採用するかもしれない)雇用主の以下の行動が挙げられます。
- 提供される労働条件を差別する
2. コントラクターとの契約
コントラクターとは、自営業者であり、他の企業などのクライアントに同様のサービス提供の契約をしている人を言います。コントラクターは、従業員ではなく、一般的には従業員と異なった権利を持ちます。コントラクターと契約することは合法ですが、(実際の)従業員がコントラクターとして扱われるのを保護する法律があります。
従業員とコントラクターの違いを理解し、彼らに正しい権利を与えることは重要です。ABNを所有しており、支払請求書を提出するからといって、コントラクターとは限りません。人をコントラクターとレッテルを張ったり、コントラクターである旨の契約書に署名させたりしてはいけません。
Fair Work Act 2009では、次の事項は違法です。
- (従業員に)コントラクターになって欲しいため、従業員を説得するため、虚偽の内容言う
- 従業員に対して、解雇、もしくは解雇すると脅し、彼らをコントラクターとして採用し、同じ仕事をしてもらう
- 従業員を、コントラクターと主張する
コントラクターについての詳細は、Fair Work Ombudsmanの”Employment Section”を参照のこと:http://www.fairwork.gov.au/find-help-for/independent-contractors
3. 実習生・研修生を雇う
実習生と研修生は、雇用主のために、実際に仕事(現場)で働き、賃金を得ながら訓練を行う人を言います。実習生と研修生には2つの主な違いがあります。実習生は、専門職(熟練技術)の下で訓練を行い、正常に終了すれば、有資格の職人(技術者)になることが出来ます。電気、配管、キャビネット作りや自動車整備士などの職業は、実習(見習い)スキームの一つです。
研修生は、職業エリアで訓練している人です。職業エリアには、オフィスの管理(administration)、情報技術(IT)、ホスピタリティーなどがあります。訓練を終了すると、選択した職業エリアで最低でもCertificate Ⅱ(証書)が取得できます。
通学ベースの実習は、専門職で訓練され、正常に終了すれば、有資格の職人となります。生徒は学校を卒業するとき、彼らが資格を完了できるようにフルタイムまたはパートタイムの見習いに変更することができます。
通学ベースの研修が終了すると、選択した職業エリアで最低でもCertificate Ⅱ(証書)を受け取ることが出来ます。
実習生、研修生への支払いや条件は、国の雇用基準、適用される労使裁定、労働協約に基づきます。
実習生・研修生についての詳細は、Fair Work Ombudsmanを参照のこと:http://www.fairwork.gov.au/find-help-for/apprentices-and-trainees
4. 海外から人を雇う
すべての人が、(オーストラリア国内で)働けるわけではありません。例えば、いくつかのビザでは、非居住者は、オーストラリア国内で仕事をすることが許されていません。有効期限が切れているビザを保有している非居住者は、オーストラリア国内で、働くことが許されていません。
オーストラリアの企業は、不法労働者を採用していない、契約をしていない、紹介していないことを確認するため、きちんと適切な時間、措置をとることが求められています。
“VISA Entitlement Verification Online (VEVO)”は、無料のオンラインサービスで、非居住者が仕事をすることを許されているかをチェックする望ましい方法です。https://immi.homeaffairs.gov.au/visas/already-have-a-visa/check-visa-details-and-conditions/check-conditions-online
非市民は、ビザの条件に適合し、そのビザが終了する日付を認識する必要があります。ビザ保持者は、ビザが終了する前に、オーストラリアを離れるか、彼らが合法的に残るように、(ビザが終了する前に)新しいビザの申請を行うか、どちらかが求められています。もしビザの有効期限が切れた場合、まだオーストラリア国内にいると、違法な非市民となってしまいます。
すべての海外からの労働者は、働く権利のある有効なオーストラリアビザを保持していなければなりません。働く権利のある一時的なビザとしては、ワーキングホリデービザ、学生ビザ、サブクラス457ビザなどがあります。
雇用主は、すべての働いている人々がオーストラリア国内で働く権利を保持していることをチェックする責任があります。雇用主は、従業員から彼らのビザを確認するための了承を持っていなければなりません。
サブクラス457ビザ保有者のために、スポンサーをしている雇用者は:
- 海外から来た労働者に対して、少なくとも同じような職場で、同じような仕事に従事している他の労働者と同じ条件や支払いをしなければなりません。
- 海外からの(熟練)労働者について、承認された熟練職を雇用しなければなりません。
- 海外からの労働者について、他の雇用主に対して仕事をしていないか確認をしなければなりません。
- 労働者に対して、現金で支払うことはできません。
- あなたもしくはDIAC( Department of Immigration and Citizenship)が書面で要求した場合は、海外からの労働者に対して、往復の航空券代金を支払わなければなりません。
- 海外からの労働者の同意なしに、労働者への支払いを控除することはできません。
5. 最低賃金
成人に対する国の最低賃金(毎年、7月に見直し)について、フルタイムの最低賃金は、時給$16.87、もしくは1週間当たり$640.90(2014年7月以降)です。
カジュアル(臨時雇い労働者)は、これに25%上乗せした、時給で最低賃金がカバーされています。
国の最低賃金は、労使裁定または労働協約によってカバーされていない従業員に適用される最低賃金です。これは、国全体の職場に関係する制度をカバーしています。
ほとんどの従業員は、労使裁定で最低賃率がカバーされています。労使裁定の下での最低賃金を見つけるためのツールや情報は、以下のウェブサイトの”Finding the Right Pay”のセクションをご参照ください:http://www.fairwork.gov.au/pay/national-minimum-wage/Pages/default.aspx
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