日本経済新聞によれば、東京電力ホールディングスとNTTが電気の安定供給に向けた新規事業で提携するようです。NTTが各地の通信用施設に備えている大量の蓄電池を使い、停電発生時にビルや公共施設に電気を送ります。東電は福島第1原子力発電所事故のコストが膨らみ、資金捻出のための収益源の確保が急務となっています。単独では投資余力に限界があり、NTTとの提携で投資負担を軽くして新分野を開拓する狙いがあるようです。
ビルなど顧客企業は非常用電源を自前で持つ必要がなくなり、天候により発電量が変わる再生可能エネルギー向けにも活用することが出来ます。 NTTは通信や通話を支える設備が各地にあり、停電時にも稼働を続けられるようにすべてに蓄電池を備えています。現在は鉛電池ですが、今後10年程度かけて順次、リチウムイオン電池に切り替える計画です。電池が小型になり、同じスペースに設置すれば容量は3倍程度に増えます。 施設は首都圏の東電管内に約1200カ所あり、蓄電池の能力は火力発電所で8基分相当まで拡大する見込み。20階建てビルなら100棟分の電気を丸1日まかなえます。 東電とNTTは電力制御やIT(情報技術)のノウハウを持ち寄り、それぞれの蓄電池を東電の送配電網に接続します。東電の発電所が停止した際などの非常時でも、必要な場所に必要な量の電気を送れるシステムを開発します。今春にも事業化に向けた共同出資会社を設立して詳細を詰め、早期のサービス開始を目指すようです。 大型ビルや商業施設は停電時に備えて非常用電源を備えている例が多いなか、東電とNTTのサービスを利用すれば不要になります。利用料は必要ですが、中規模以上のビルの場合でコストを2割ほど減らせるということです。東電とNTTはビルの建て替えや市街地の再開発などの際に採用を提案するとのことです。 新システムは再生可能エネルギー向けにも活用します。太陽光や風力発電は天候の影響を受ける問題があります。発電量が大幅に増えて電力系統が受け入れきれない場合は蓄電池にため、逆に減った場合には蓄電池から供給します。再生エネの事業者が独自に蓄電池を併設する負担を減らし、電力システムの安定性を高めて普及を後押しする狙いがあります。 NTTが現在のすべての蓄電池を更新するには1千億円以上の投資がかかる可能性があります。新事業は普段は使わない蓄電池を有効活用して新たな収入源にできるようです。 http://www.nikkei.com/article/DGXLZO12329940Q7A130C1TJC000/ この記事を英語で読みたい方は、こちらをご参照ください: http://www.j-abc.com/blog/-two-major-jpn-companies-plan-emergency-power-venture-in-japan
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