日本経済新聞によれば、着るだけで心拍数を計測できるなど高機能な「スマート衣料」が進化を加速しています。帝人は触覚を再現する衣料を開発し、日清紡ホールディングス(HD)は妊婦の陣痛を予兆する腹帯の製品化を目指すようです。東レは医療向け、東洋紡は動物向けで開発を進めます。高速通信規格「5G」も追い風となり、機能の高度化がさらに進みそうです。
帝人は仮想空間にある物を「触った」感覚を再現できるジャケットを開発した。仮想現実(VR)の映像や体の動きと連動し、ジャケットに取り付けた機器が全身に様々な種類の振動を与える。仮想空間での体験がよりリアルに感じられる。 ジャケットには導電繊維や絶縁繊維を組み合わせた特殊な構造の生地を使っている。生地自体が配線の役割を果たす点が特徴だ。センサーやバッテリーなどの機器を服の任意の場所に取り付けるだけで給電や通信ができる。従来は機器同士を配線でつなぐ必要があり、商品化が難しかった。 帝人はVRゲームでの応用に加えて、医療や介護の現場でもスーツを使えると見込んでいる。生体データを取得しながら運動機能を刺激し、効果的なリハビリにつなげる考えだ。同社が手掛けるヘルスケア事業との相乗効果も狙っている。 日清紡HD傘下の日清紡テキスタイルは陣痛の時期を知らせるスマート衣料の開発を進めている。大きくなったおなかを支えたり、冷えを防いだりするため妊婦が身につける「腹帯」にして、日常的に使ってもらう。 スマートフォンなどの部品である小型マイクを腹帯に付け、胎児の心音を観測する。それに基づいて陣痛の時期を数日前に予測するほか、胎児の心拍に異常があれば病院に行くように促す。医療機器ではなく手軽に使える雑貨製品として、小売店や通販ルートでの提供を目指す。価格も1万円以下に抑える考えだ。 東洋紡はフィルム状の導電素材を使ったスマート衣料「ココミ」を人間に加えて動物向けにも展開している。すでに競走馬の心拍などを計測できる製品の商品化には成功した。今後は犬をはじめとするペットや畜産業に関わる牛などに対象を広げていく考えだ。 担当者は「動物は言葉でコミュニケーションが取れないので、体調や気持ちを推し量るために生体情報が役に立つ」と語る。動物によって発汗や体毛の量、体形などは大きく異なる。それぞれの動物に最も適した衣料の開発を進める方針だ。 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61963930X20C20A7X13000/ この記事を英語で読みたい方は、こちらをご参照ください: https://www.j-abc.com/blog/from-gamers-to-dogs-japan-forges-ahead-in-smart-clothing.html?lang=ja
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