日本経済新聞によれば、個人による二酸化炭素(CO2)の排出量削減分を取引する仕組みが8月下旬から国内で始まります。東京電力ホールディングスやソフトバンクなどが出資する企業が主導し、家庭の太陽光発電などで削減した排出量をインターネットを通じて販売します。これまで埋もれていた家庭のCO2削減分に価値を付け取引を促すことで、再生可能エネルギーの普及を後押ししそうです。
11月から再生エネの固定価格買い取り制度(FIT)による買い取りが順次終わる。家庭で生んだ再生エネ由来の電力の売電が減り、自家消費が増えるとみられる。個人がCO2削減分を売りやすくして、売電収入の落ち込み分を補う効果を見込む。買い手として再生エネ由来のグリーン電力を事業に生かしたい中小企業などが参加する。こうした小口の排出量取引は世界でも珍しいという。 東電子会社とLIXILの共同出資会社や、ソフトバンクが出資するユビ電(東京・港)、電力取引仲介を手掛ける電力シェアリング(同・品川)などが共同で取り組む。2018年から環境省の支援を受け実証実験を進め、商用化のメドがたった。 各社は家庭で自家消費した電力のうち、CO2を削減した量を売買できるようにする。各家庭の太陽光の発電量のうち自家消費分をスマートメーターなどで常時計測する。暗号資産(仮想通貨)の基盤技術であるブロックチェーンを使い個人にひも付け、誰のCO2の削減分か分かるようにする。 売る側はCO2削減量を再生エネの発電量に置き換えて取引する。売買価格にもよるが、1キロワット時あたり約5円で取引した場合、4人家族の一般的な家庭で蓄電池がある場合は年約2万円、蓄電池がない場合は年約4千円の収入がある見込みだ。買う側としては電気自動車(EV)のレンタル会社や小売業などを想定する。 専用のスマートフォンアプリを通じ相対で取引し、アプリでは誰がどの地域で自家発電してCO2を削減したかも分かるようにする。まず20年に1万人の利用を目指し、同年からは収入の1割程度を手数料として徴収する見込みだ。 再生エネのCO2削減分を売買する制度には、国が運営するJ―クレジットや非化石証書などがある。ただ現在の制度は手続きが煩雑で時間がかかり使い勝手が悪いとの声があった。 企業の間では、イオンや富士通など事業で使う電力を全て再生エネで賄い、実質的に排出量ゼロを目指す例が広がりつつある。再生エネ由来の電気は通常の電気よりも割高で、中小企業や個人事業主には手が出しづらい。小口の家庭のCO2の削減価値の取引が増えれば、再生エネ活用の裾野が広がる可能性がある。 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48918880T20C19A8MM8000/ この記事を英語で読みたい方は、こちらをご参照ください: https://www.j-abc.com/blog/japan-to-trade-credits-for-carbon-cut-by-individuals-at-home
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