日本経済新聞によれば、関西医科大学(大阪府枚方市)は2022年4月に、「第5のがん治療法」として期待を集める「光免疫療法」で世界初の研究所を設立します。開発者で所長に就任する米国立衛生研究所(NIH)の小林久隆主任研究員は、現在対象の顔や首のがんに加え「乳がんなどへの適用も検討する」と話しました。様々ながんの患者に新たな選択肢を提供します。
光免疫療法はまず、がん細胞と結びつく薬剤を患者へ投与する。薬剤ががんの近くに集まった後に、近赤外線のレーザー光を当ててピンポイントで破壊する。 NIHの小林主任研究員が発明し、楽天グループの楽天メディカル(米カリフォルニア州)の前身企業が特許のライセンスを取得して開発を進めた。12年には当時のオバマ米大統領が一般教書演説で取り上げて注目を集め、手術、放射線、抗がん剤、免疫薬に続く「第5のがん治療法」と呼ばれる。 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF095JL0Z00C21A4000000 この記事を英語で読みたい方は、こちらをご参照ください: www.j-abc.com/blog/japan-university-to-set-up-institute-on-new-cancer-treatment?lang=ja
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熊本大大学院生命科学研究部の富沢一仁教授らのグループは23日、血液や尿を用いて新型コロナウイルス感染の有無を判定する方法を開発したと発表した。血液や尿には感染性のある新型コロナウイルスがほぼ含まれていないといい、鼻の奥をぬぐうなどして検体を採取するPCR検査などよりも、医療従事者らの感染リスクを減らすことが期待できるという。
富沢教授らが開発した検査法は、血液や尿に含まれる「修飾ヌクレオシド」と呼ばれる物質で判定する。熊本県内の新型コロナ感染者の血液や尿を解析し、およそ100種類の修飾ヌクレオシドのうち、症状の有無にかかわらず、感染により特異的に増える2種類の特定に成功した。 精度はPCR検査とほぼ同程度。検体の前処理から解析までは40~50分間ほどで、より短時間でできる。検査技師が防護服を着用したり、ウイルスを広げないための設備「安全キャビネット」内で作業したりする必要もないという。 https://digital.asahi.com/articles/ASP3S36FDP3RTIPE029.html?iref=pc_ss_date_article この記事を英語で読みたい方は、こちらをご参照ください: www.j-abc.com/blog/safer-faster-covid-19-test-based-on-blood-urine-samples-in-japan?lang=ja
日本経済新聞によれば、高額の手術支援ロボットの価格が大幅に下がる可能性が高まってきました。億円単位の導入費用がかかっていた米社の「ダビンチ」が市場をほぼ独占していましたが、主な特許が切れたことで開発競争が加速しています。新興勢は価格をダビンチの数分の一に抑える製品も投入。医療現場でロボット活用が加速すれば、医師や看護師の負担軽減にもつながります。
東京・お茶の水の東京医科歯科大学。研究所ではブタを使ったロボット手術の実験が続く。操縦台に座った医師が両手のコントローラーを動かすと、ブタの体内に差し込まれたロボットアームが動いて臓器を切ったり縫合したりする。 東京工業大学発スタートアップのリバーフィールド(東京・新宿)の手術ロボ開発の様子だ。肺がん患者などの治療に活用する。4月にも最終製品を完成させ、国の承認手続きを経て2022年度の発売を目指す。 同社のロボはアームを空気圧で動かすのが特徴だ。川嶋健嗣会長は「通常の電動モーターと異なり、空気圧を解析して操作する医師の手に組織をつかむ微妙な触感を伝える」と話す。 空気圧式は軽量化や部品点数減につながる。1台あたりの価格は1億円以下と、ダビンチの中心機種の約半額を目指す。「既にロボを導入している大病院などの2台目需要を狙う」(川嶋氏)といい、最初の1年で10台程度の販売を目指す。 https://www.nikkei.com/article/DGKKZO70883290Z00C21A4TJC000 この記事を英語で読みたい方は、こちらをご参照ください: www.j-abc.com/blog/japanese-surgical-robots-face-cheaper-rivals-as-key-patents-expire?lang=ja
朝日新聞によれば、温室効果ガスの排出量を2050年までに実質ゼロにするという政府の目標達成に向け、にわかに注目されている資源があります。それはアンモニアです。燃やしても二酸化炭素(CO2)が出ないため、CO2を多く出す石炭に代わる火力発電の燃料として期待されています。ところが、燃料として注目されたのは、ごく最近のこと。全く別の使い道を探る研究がきっかけでした。
経済産業省が昨年末に公表した「グリーン成長戦略」では、「燃料アンモニア産業」が重点分野の一つになった。 アンモニアには、同じく燃焼時にCO2を出さない水素より扱いやすいという利点もある。 エネルギー政策に詳しい橘川武郎・国際大教授は「アンモニアを使った『カーボンニュートラル火力』は業界のゲームチェンジャー。実用化できれば原発が要らなくなる可能性すらある」と話す。 https://digital.asahi.com/articles/DA3S14796521.html?iref=pc_ss_date_article この記事を英語で読みたい方は、こちらをご参照ください: www.j-abc.com/blog/japan-embracing-ammonia-power-to-achieve-2050-zero-co2-target?lang=ja
朝日新聞によれば、自動車の排ガスに含まれる大気汚染物質の窒素酸化物(NOx)を浄化する新素材を開発したと、京都大などのチームが発表しました。従来品よりも9割のコスト削減が見込めるという。
チームの草田康平・京大特定准教授は「排ガス浄化は日本が得意とする技術。実用化したい」と話しています。 車の排ガス浄化には現在、性能が高いロジウムというレアメタルが使われているが、価格が金よりはるかに高く、同等の性能をもつ代替素材の開発が求められている。 https://digital.asahi.com/articles/DA3S14845933.html?_requesturl=articles%2FDA3S14845933.html&pn=2 この記事を英語で読みたい方は、こちらをご参照ください: www.j-abc.com/blog/alloy-formed-that-can-slash-price-for-auto-exhaust-purifiers-in-japan?lang=ja
朝日新聞によれば、京阪電鉄は、白杖(はくじょう)や車いすの利用者を人工知能(AI)技術の画像認識でいち早く見つけ、駅員に知らせるための実証実験を始めました。ホームからの転落事故などを防ぐ試みで、近畿日本鉄道や相模鉄道でも同様の試験が進みます。
実験場所は、八坂神社などの観光名所にも近い京都市中心部の祇園四条駅。IT企業アプリズム(大阪市)と協力して2月19日から、改札口にパナソニック製のカメラを4台置いた。3月末まで画像データを蓄積し、AIに白杖や車いすの利用者の見分け方を学ばせ、高い精度で自動的に検知できるようにする。4月からは、検知すると駅員の業務用携帯電話に通知が届く予定だ。 https://www.asahi.com/articles/ASP3H4QF3P2VPTIL01Y.html この記事を英語で読みたい方は、こちらをご参照ください: www.j-abc.com/blog/japanese-rail-companies-test-ai-systems-that-spot-visually-impaired-riders.html?lang=ja
朝日新聞によれば、東日本大震災の直後、寸断された道のどこが通れたのかを示した地図が、インターネット上で公開されました。同じ2011年の秋には紀伊半島が台風に襲われ、その教訓からIoT(モノのインターネット)技術を生かした水位計が開発されました。命を守るための情報通信技術は、この10年で進化を続けています。
東日本大震災の翌日午前10時半、ホンダはホームページに、「通れた道路マップ」を公開した。東北の被災地で車が実際に通れた道を、地図上に青く表示する仕組みだ。交通網が各地で寸断される中、通れた道が毛細血管のように青く染まり、4日間で延べ130万人以上が閲覧した。 https://www.asahi.com/articles/ASP3J3PS4P2VUTIL041.html?iref=pc_ss_date_article この記事を英語で読みたい方は、こちらをご参照ください: www.j-abc.com/blog/how-natural-disasters-spur-new-technologies-save-lives-in-japan.html?lang=ja
朝日新聞によれば、京都大学などの研究グループが、水から効率よく低コストで水素を作れる触媒を開発した、と発表しました。再生可能エネルギーを使って水素を作り出すのに役立つかもしれないとのことです。研究成果が英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに掲載されました。
水素は、利用する時に二酸化炭素(CO2)を出さないエネルギーとして注目されるが、いまは水素自体をつくるのにCO2が発生する方法が主流だ。天然ガスや石油など化石燃料を原料に、高温、高熱を加えて製造される。 そこで、研究グループの草田康平・京都大学特定准教授らは再生可能エネルギーの電力を使って水を電気分解する、水電解の技術を研究している。 水電解は、水に電圧をかけて、水素と酸素を発生させる反応を起こす。電圧をかける電極には、反応を進める貴金属の触媒を塗る。プラチナ(白金)を触媒に水素を、酸化イリジウムを触媒に酸素を発生させる反応の研究が主に進んでいて、これらの触媒は市販されている。 研究グループが開発した新しい触媒は、貴金属のルテニウムとイリジウムの合金で、水素と酸素の発生、両方の反応を進めることができる。従来の触媒よりも、同じ電圧で水電解がより進み、耐久性も高い。 https://www.asahi.com/articles/ASP3C5K0YP39PLBJ00H.html?iref=pc_ss_date_article この記事を英語で読みたい方は、こちらをご参照ください: www.j-abc.com/blog/japanese-scientists-find-a-cheaper-greener-way-to-produce-hydrogen-gas.html?lang=ja
日本経済新聞によれば、三井海洋開発は水素の原料となるメタンを海底から採掘する技術を開発するようです。日本近海の比較的浅い海底の表層部に眠るメタンが近年確認されたことを受け、石油などを海底から効率的に吸い上げる自社技術を応用します。
現在、水素の調達は輸入した天然ガス由来などが一般的です。日本近海に豊富にあるメタンを活用すれば、水素の安定確保にもつながりそうです。 政府が目標とする2050年までの温暖化ガス排出「実質ゼロ」には、燃やしても二酸化炭素(CO2)を出さない水素が重要になる。 三井海洋開発は他社に先駆けて21年度に掘削実験に着手する。開発するのは海底でメタンと水分子が結びついた氷状の物質「メタンハイドレート」の採掘技術。 https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ03E020T00C21A3000000 この記事を英語で読みたい方は、こちらをご参照ください: www.j-abc.com/blog/japan-eyes-undersea-fire-ice-as-source-of-clean-burning-hydrogen.html
朝日新聞によれば、人が運転する先頭車のトラックを、2台の無人トラックが追走する、隊列走行実験に成功したと経済産業省や国土交通省が発表しました。成長戦略の一環で2016年から取り組んでおり、運転者不足の解消や燃費の改善を見込んでいます。
静岡県内の新東名高速道路で2月に実験があった。時速80キロで約9メートルの車間を保ち、約15キロの距離を走ったという。レーザー光で周囲を確認するセンサー「ライダー」などを搭載。アクセルやブレーキ操作も後続の車へ即座に伝わり、先頭車のコースから50センチ以上ずれることがなかった。 https://digital.asahi.com/articles/DA3S14823220.html?_requesturl=articles%2FDA3S14823220.html&pn=3 この記事を英語で読みたい方は、こちらをご参照ください: www.j-abc.com/blog/ministries-pull-off-successful-driverless-truck-test-on-highway-in-japan.html?lang=ja |
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