朝日新聞によれば、厚生労働省の再生医療製品を審議する部会は、脊髄(せきずい)損傷の患者自身から採取した幹細胞を使い、神経の働きを回復させる治療法を了承しました。早ければ年内にも厚労相に承認され、リハビリ以外に有効な治療法がない脊髄損傷で、幹細胞を使った初の細胞製剤(再生医療製品)となります。公的医療保険が適用される見通しです。
この製剤は札幌医科大の本望修教授らが医療機器大手ニプロと共同開発した「ステミラック注」。患者から骨髄液を採取し、骨や血管などになる能力を持つ「間葉系幹細胞(かんようけいかんさいぼう)」を取り出します。培養して細胞製剤にした5千万~2億個の間葉系幹細胞を、負傷から1~2カ月以内に、静脈から点滴で体に入れます。間葉系幹細胞が脊髄の損傷部に自然に集まり、炎症を抑えて神経の再生を促したり神経細胞に分化したりして、修復すると説明しています。 安全性や有効性を確認するため、本望教授らは2013年から医師主導の治験を実施。負傷から3~8週間目に細胞を注射し、リハビリをした患者13人中12人で脊髄損傷の機能障害を示す尺度(ASIA分類)が1段階以上、改善しました。運動や感覚が失われた完全まひから足が動かせるようになった人もいたということです。 国は画期的な新薬などを対象に本来より短期間で審査する先駆け審査指定制度を適用、安全性と一定の有効性が期待されると判断しました。 ただ、間葉系幹細胞の作用の詳しい仕組みはわかっていません。今回は条件付き承認で、製品化後、全患者を対象に7年ほど、安全性や有効性などを評価します。再生医療に詳しい藤田医科大の松山晃文教授は「損傷後の早い段階で入れることで、神経の機能回復の効果を強めているのではないか。有効性を確認しながら治療を進めて欲しい」と話しています。 脊髄損傷は国内で毎年約5千人が新たになり、患者は10万人以上とされます。慶応大のグループはiPS細胞を使って治療する臨床研究を予定。学内の委員会で近く承認される予定です。 https://digital.asahi.com/articles/DA3S13779672.html?iref=pc_ss_date この記事を英語で読みたい方は、こちらをご参照ください: https://digital.asahi.com/articles/photo/AS20181122000328.html
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朝日新聞によれば、駐車場の空きが見つからない、狭くてとめづらい、出入り口まで遠い――。ショッピングモールなどの大型駐車場で、よく経験するイライラが解消されるかもしれない。自動運転技術を使った新たな駐車システムの実証実験が、東京・お台場の大型商業施設「デックス東京ビーチ」の駐車場で公開されました。
実験は、買い物に来た客が出入り口付近に車をとめた想定で始まりましたた。システムを開発している日本自動車研究所の所員がスマートフォンのアプリ画面で「入庫」をタッチすると、停車していた車が動き出しました。緊急時の対応のため運転手が乗ってはいますが、車は自動運転で低速走行。運転手がハンドルを握ることなく駐車場の空きスペースにバックで収まりました。 買い物が終わった後を想定し、アプリ画面の「出庫」をタッチすると、車は自動で出入り口に戻ってきました。実用化されれば、駐車場の空きスペースを探す手間や駐車場からの移動時間がなくなり、むだなく買い物を楽しめそうです。 「自動バレーパーキング」と呼ばれるこの新システムは、自動運転機能を備えた車両、カメラやセンサーなどを配置した駐車場、それぞれの情報を集めて効率的に車両を誘導する管制センターの3者が連動して成り立ちます。駐車場内への人の出入りを禁じて乗り降りできなくするため、ドアを開け閉めするスペースを確保する必要がなくなり、1台あたりの駐車スペースを小さくできるメリットもあります。同じ面積でも、従来より2割多い台数の駐車が可能になるということです。 2020年代初めの実用化をめざして、国も開発を後押ししています。導入エリアを限定したシステムなので、公道での完全自動運転より普及が早いとみています。まずは個人所有の車でなく、レンタカーなどによる観光施設での活用を見込んでいます。海外でも実用化に向けた開発が進んでいますが、日本勢は国際標準化も視野に入れています。 マンションや病院、ホテル、工場などにも導入できますが、システムが使える自動運転車の普及と駐車場の整備が課題です。とくに駐車場には新たな設備投資が必要で、導入する側にどこまでメリットがあるかが普及のカギを握ります。同研究所の谷川浩ITS研究部長は「実験によって利便性を知ってもらい、企業に積極的に参入してもらいたい」と話しています。 https://digital.asahi.com/articles/ASLCF3VGMLCFULFA00K.html?iref=pc_ss_date この記事を英語で読みたい方は、こちらをご参照ください: https://www.j-abc.com/blog/automated-valet-parking-under-trial-for-shopper-convenience-in-japan
The Australian Financial Review紙によれば、豪州Ikeaは、今後数カ月間で8つの小店舗を初めてオープンさせるようです。購入者のニーズの変化に合わせて、Eコマースに対応するもので、大型店舗から小店舗への戦略転換を図るようです。
Ikeaは先日、世界中で従業員の数を7500人削減すると発表しました。主な削減対象としては、店舗で働く人々ではなく、コーポレートオフィスなどで働く人々で、一方で、新たに30の小店舗をオープンさせることで数千人規模の雇用を創出する予定ということです。 今回の戦略シフトによって、大型店舗で手頃な価格で家具を販売している大手Ikeaでさえ、オンラインでの競争に対応しなければならないことが分かります。 https://www.afr.com/business/retail/ikea-australia-to-open-popups-smaller-stores-as-online-sales-exceed-10pc-20181122-h188au この記事を英語で読みたい方は、こちらをご参照ください: https://www.j-abc.com/blog/ikea-australia-to-open-pop-ups-smaller-stores-as-online-sales-exceed-10pc
The Australian Financial Review紙によれば、オーストラリアニュージーランド銀行(ANZ銀行)では、オーストラリアの住宅価格は、今後上昇に転じるまでに、シドニーとメルボルンでは下落幅が20%程度までなると予想しているようです。
ANZ銀行のエコノミストたちは、住宅ローンへの貸付の引き締めの影響を受けて、住宅市場が当初の予想よりも冷え込むと予想しています。 今年の9月時点では、シドニーとメルボルンの下落幅は10%程度と予想をし、この下落傾向は2020年くらいまで続く可能性があると述べていました。 しかし、最近のリリースでは、シドニーとメルボルンの下落幅は、15~20%程度となると予想しています。 https://www.afr.com/real-estate/anz-doubles-down-on-housing-downturn-prices-to-fall-20pc-20181122-h1875g この記事を英語で読みたい方は、こちらをご参照ください: https://www.j-abc.com/blog/anz-doubles-down-on-housing-downturn-prices-to-fall-20pc
The Australian Financial Review紙によれば、鉄鉱石の富豪であるフォーテスキュー・メタルグループのアンドリュー・フォレスト氏は、オーストラリアにおける新たな水素産業の形成のサポートをCSIROと共に実施するために、新しい水素技術の開発に取り組み、2,000万豪ドルを出資するようです。
先日ブリスベンで発表されたこの契約には、CSIROの金属膜(アンモニアからの純粋な水素の抽出を可能にする技術)の商業化契約が含まれています。 フォレスト氏は、フォーテスキューは、今後5年間で1,910万豪ドルの資金を供給して、将来の低排出燃料となる可能性のある水素の可能性を解き放つことに熱心であると語りました。 https://www.afr.com/news/politics/andrew-forrest-gives-20m-to-help-kickstart-a-hydrogen-industry-in-australia-20181121-h1871p この記事を英語で読みたい方は、こちらをご参照ください: https://www.j-abc.com/blog/andrew-forrest-gives-20m-to-help-kickstart-a-hydrogen-industry-in-australia
日本経済新聞によれば、日本政府観光局が21日発表した10月の訪日外国人客数は、前年同月比1.8%増の264万600人でした。9月は台風21号や北海道地震の影響で5年8カ月ぶりにマイナスとなりましたが、底堅い旅行需要を背景に増加に転じました。ただ自然災害による旅行控えが近隣国で残り、回復は小幅にとどまっています。
訪日客数は年前半まで順調に増加を続けていましたが、6月の大阪北部地震や7月の西日本豪雨が影響。7~8月は前年同月比でこれまで2桁増から1桁台の増加に鈍化。9月は5.3%減のマイナスになりました。大きな要因の一つは台風による関西国際空港の一時的な閉鎖ですが、空港機能は回復。関空経由の外国人入国数も、大阪入国管理局関西空港支局のまとめ(速報ベース)によると10月は約65万人と、前年同月比で3%弱の増加に転じています。 10月に訪日客増が小幅にとどまった背景は近隣国からの客数回復の遅れです。訪日客の2割強を占める韓国からは8%減、韓国に次ぐ規模の台湾も約1割減が続きます。一方で最大の訪日客数を占める中国では7.8%の増加に転じており、プラス回復をけん引しました。 このペースでいけば通年での訪日客数3千万人の達成が視野に入ります。10月までの段階で約2600万人に達しており、11~12月にかけて前年同期と同水準を維持できれば3千万人を上回ります。観光庁の田端浩長官は「特段の外的要因がなければ年間で3千万人を超えると見込んでいる」と説明しています。 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO38035870R21C18A1EE8000/ この記事を英語で読みたい方は、こちらをご参照ください: https://www.j-abc.com/blog/foreign-travelers-start-to-return-to-japan-after-natural-disasters
The Australian Financial Review紙によれば、技術系コンサル大手のInfosysは、数千万豪ドル規模の投資を実施し、3つのイノベーションハブを豪州で整備するようです。これにより、新たに1,200の雇用を創出することで、各州による誘致活動が熱を帯びそうです。
このイノベーションハブは、政府、企業、大学と、インフォシスとがデジタル変換を行う「共同創造」センターとなります。 新規雇用される40%が、オーストラリアの大学を卒業した人々となる予定で、コンピューターサイエンスからデザインまで、幅広い分野が対象となります。 The Australian Computer Societyが今年6月に発表したレポートによれば、オーストラリアは今後5年間で20万人の技術労働者が必要となるということです。しかし、オーストラリア国内の大学を卒業した情報通信技術の学位取得者は、これに比べて毎年5,000人程度少ない水準ということです。 https://www.afr.com/technology/infosys-to-create-1200-local-jobs-in-three-new-innovation-hubs-20181120-h185ab この記事を英語で読みたい方は、こちらをご参照ください: https://www.j-abc.com/blog/infosys-to-create-1200-local-jobs-in-three-new-innovation-hubs-in-australia
日本経済新聞によれば、ANAホールディングス(HD)や丸紅などが民間宇宙旅行の実現を後押しするため、宇宙船の発着基地の国内開設を目指す新組織を設立しました。飛行機型の宇宙船の発着に必要な滑走路を持つ基地を2021年にも開設することを目指します。米国ではすでに約10カ所の商業用の基地があり、民間主導の宇宙ビジネス競争に立ち遅れない体制作りを目指します。
新組織は一般社団法人「スペースポート・ジャパン」(SPJ、東京・港)で16日に活動を始めます。代表理事には宇宙飛行士の山崎直子氏が就任しました。エアバス・ジャパンやスカパーJSAT、三井不動産などを含めて6社が参加しました。今後は大手建設会社などにも参加を呼び掛けていくようです。 民間の宇宙旅行は実現していませんが、各国で開発中の宇宙船は水平離着陸をする飛行機型と、垂直に打ち上げるロケット型があります。SPJは飛行機型の利用を想定し、3千メートル級の滑走路を持つ「スペースポート(宇宙港)」と呼ばれる発着基地の開設を目指します。 地方自治体や政府機関と連携し、宇宙港の候補地などを探ります。安全基準などを議論する国際会議にも参加します。着工に際しては建設や運営のための共同出資の株式会社を設立する見通しです。最初の宇宙港には訓練施設なども併設する予定です。 米国では民間の宇宙旅行の実現を目指し、空港からの転用や新設ですでに10カ所程度の商業用宇宙港があります。経済活性化策として州が運営する施設も多く、米ヴァージン・ギャラクティックがニューメキシコ州の宇宙港からの商業運航を目指しています。英国やイタリア、スペインにも宇宙港構想があります。 ANAHDは日本の宇宙船開発ベンチャーに出資するなど宇宙関連事業の強化を目指しています。衛星通信事業のスカパーJSATは宇宙分野の事業機会を探る狙いがあるようです。宇宙港をアジアで初めて開設し、将来の宇宙ビジネスで主導権を握ることを目指します。 ただ国内で宇宙旅行ビジネスの実現を目指すうえで課題となるのが法整備です。15日に全面施行された宇宙活動法は人工衛星の打ち上げや管理を想定したルールで、有人の宇宙船は想定されていません。ロケットエンジンを利用するため、航空法も適用外とみられます。宇宙港の許可制度なども未整備です。 米国では04年に改正された「商業宇宙打ち上げ法」で搭乗者の自己責任を原則として、一般人を対象とした有人宇宙飛行が認められました。欧州では英国で18年に「宇宙産業法」が成立しています。SPJは「適切な法整備を求めていく」(理事の新谷美保子弁護士)としています。 https://www.nikkei.com/article/DGKKZO37824170V11C18A1TJ3000/ この記事を英語で読みたい方は、こちらをご参照ください: https://www.j-abc.com/blog/ana-and-marubeni-join-to-build-spaceport-in-japan
The Australian Financial Review紙によれば、オーストラリアの農家は、干ばつなどの影響によって苦しい状況ですが、一方で再生エネルギー市場で収入を得ており、将来の気象変動に伴うビジネスモデルとなってきています。
専門家は、「多くの農家が、生き残りのための戦略として通常の気象条件や干ばつの影響だけでなく、将来の異常気象などによる気象変動に対応できるように取り組んでいる」と述べています。 その中で、クリーンエネルギーに関しては、ある程度の安定した収入が見込まれることで、収入が得られない年などでも収入が得られるだけでなく、精神的そして身体的なストレスの削減となります。 風力発電タワーやソーラーパネルの数にもよりますが、農家が再エネによる契約で得られる収入は、年間10万豪ドルもしくはそれ以上にも及ぶケースもあり、土地のリースは30年を上限とした長期契約となります。 https://www.afr.com/real-estate/commercial/droughtstricken-farmers-earning-extra-income-from-renewable-energy-contracts-20181116-h17z92 この記事を英語で読みたい方は、こちらをご参照ください: https://www.j-abc.com/blog/australian-farmers-battle-climate-change-with-wind-and-solar-income 朝日新聞によれば、ハンドルやブレーキに全く触らず、声や身ぶり、視線などで操作できる自動運転車が、名古屋市で公開されました。名古屋大と徳島大、アイシン精機などの研究グループが開発し、こうした自動運転車は世界で初めてということです。
武田一哉・名大教授(信号処理)らの研究グループは、運転者の声に加え、カメラで視線の向きや口の動きなどをとらえ、高い精度で運転者の意思を認識する技術を開発。名大キャンパス内の実証実験で、走行中だけでなく、出発から到着まで自動で走行できることを確認しました。 運転者が「右に曲がって」と伝えると指示通りに方向を変えるほか、「あれは何」と尋ねると、視線の向きや地図情報から「図書館です」などと建物の名前も答えられます。 この技術は自動運転車だけでなく、ロボットなどを簡単に操作することにも応用できると期待されています。武田教授は「実用化には時間がかかるが、今後、様々な環境で誰が使っても走行できるよう性能を高めていきたい」と話しています。 https://digital.asahi.com/articles/ASLBT4CCWLBTOIPE01B.html?iref=pc_ss_date この記事を英語で読みたい方は、こちらをご参照ください: https://www.j-abc.com/blog/1st-self-driving-car-steered-by-gesture-look-voice-rolled-out-in-japan |
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