The Australian Financial Review紙によれば、Mirvacは来年、シドニーの西部にあるAuburnに、新しい工業団地の建設を開始する予定です。これは、オンライン販売の好況を支えるロジスティクスの整備を進めているMorgan Stanley Real Estate Investingと共同で開発する予定です。
同社は、14ヘクタールの用地を確保し、この用地に倉庫、オフィススペース、カフェなどを建設する予定で、フロアー面積は合計で73,000平米となる予定です。 消費者によるオンライン購入が増加しており、商品を敏速に配達するために、倉庫スペースの拡充などは、小売業者や家主にとってプレッシャーになっています。 https://www.afr.com/property/commercial/mirvac-taps-sydney-s-love-of-online-shopping-20200421-p54lvf この記事を英語で読みたい方は、こちらをご参照ください: https://www.j-abc.com/blog/mirvac-taps-sydneys-love-of-online-shopping.html
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日本経済新聞によれば、アシックスは当初予定していた新作ランニングシューズ「メタレーサー」の発売を延期しました。市場を席巻する米ナイキを打倒すべく、アシックスとしては初めて厚底にカーボンプレートを入れて反発力を高めました。同社ファンのランナーが待ちわびてきた高機能シューズです。
新型コロナウイルスのまん延による緊急事態宣言でアシックス直営店は順次休業に入った。同社の公式オンラインショップは営業中だが、メタレーサーは直営店での発売にこだわった。かつて成長をけん引した米国市場での失敗の反省があるからだ。 ランニングブームを追い風に米州事業の売上高は15年12月期まで5年で2倍強のペースで伸びた。ところが、その後はシューズやウエアを日常で着こなす「アスレジャー」の消費トレンドを捉えきれずに失速した。実店舗から需要がシフトした電子商取引(EC)のインフラも十分でなかったアシックスは、18年12月期に構造改革費用で203億円の最終赤字に転落した。 「成功体験にとらわれ、販売チャネルや消費者の変化への対応が後手になった」と分析する広田康人社長が打ち出したのがランニングシューズ専門店チャネルの再強化だ。北米に約110店ある直営店のようにアシックスだけを扱うわけではないが、直営店と同じように専門知識のある店員が接客するため機能性が評価されやすく、値崩れしにくいという判断だ。 実額は非開示だが、前期は北米地域の専門店チャネルの売上高が「2ケタ%増えた」(同社)。同地域は現地通貨ベースで4期ぶりの増収になったという。これをバネに全体の営業利益も106億円と、わずか1%増ながら5期ぶりの営業増益になった。 アシックスは東京五輪の最高位スポンサー「ゴールドパートナー」。20年12月期はブランドを世界にアピールし、米国でもナイキやアディダスからシェアを奪うはずだったが、1年延期で五輪効果は来期に先送りになった。今期営業利益のアナリスト予想平均(QUICKコンセンサス)は前期比52%減の51億円と、会社が2月14日に出した15%減の90億円の予想を大きく下回る。 外出自粛による世界的な経済停滞が懸念され、「所得が全体的に減る中、ぜいたく品でもあるスポーツ用品にはお金が回りにくい」(auカブコム証券の河合達憲氏)との見方も出ている。株価は1月の年初来高値1802円のざっと半分の水準だ。 投資家の関心は「来年の五輪をテコにどこまでランニングシューズの失地回復ができるか」(国内証券)に集中している。コロナが終息して21年の五輪開催が確実にならなければ、株価の反発力は高まりそうにない。 20日には英マラソン・アセット・マネジメントがアシックス株を5%強保有したとして大量保有報告書を提出した。アシックスによると、「もともと約850万株を保有する大株主で、今回100万株を買い増した。2018年に初めて面談してから付き合いがある」という。 この局面での買い増しは、来年の五輪に向けてメタレーサーから始まる打倒ナイキのシナリオに賭けたとも読めるが、マラソン・アセットはあくまで中長期の投資家だ。米国のランニング専門店で機能性が評価され、メタレーサーを履いたランナーの足音がナイキと同じくらい大きく響かなければ、アシックスが勢いを取り戻す日は五輪よりも遠い。 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58398550T20C20A4000000/ この記事を英語で読みたい方は、こちらをご参照ください: https://www.j-abc.com/blog/olympic-delay-trips-up-asics-race-against-nike.html
朝日新聞によれば、人工知能(AI)が臓器の位置を医師に教え、内視鏡での手術を手助けする技術を、大分大や福岡工業大、オリンパスなどのグループが開発中のようです。手術件数が最も多い胆囊(たんのう)摘出が対象で、5年後の実用化をめざします。病気の診断ではなく、AIが手術を支援する医療技術は世界的にも先進的な試みということです。
内視鏡を使って胆囊を切除する手術の最中、体内の様子を映しているモニター画面に、いくつもの四角い枠が自動表示されている。 それぞれが示しているのは、胆囊を切除する際の目印となる臓器や、傷つけないように注意すべき胆管の位置など。リアルタイムに判断しているのはAIだ。 開発にあたっているのは、大分大医学部の猪股雅史教授(消化器外科)や福岡工業大情報工学部の徳安達士教授(情報工学)らのグループ。 日本医療安全調査機構などによると、胆囊炎などによって胆囊を切除する手術の件数は、全国で年間約12万件。外科手術のなかで最も多いという。しかし、胆囊の近くにある胆管を誤って切るなどのミスが毎年約600件起きており、死亡する場合もある。 ミスの原因の多くが臓器などの見間違い。手術にはおおむね決まった手順があるが、炎症の程度や脂肪の厚さなど患者によって体内の状況は異なるという。 大分大は、手術の注意点などを広めようと研修会を開いてきた。しかし、より多くの医師に学んでもらう手立てとして、ベテランの知識と技術を学習したAIが手術を支援するシステムの開発を考えたという。 一緒に研究にあたる福工大の徳安さんはこれまで、画面を見ながら手術するために遠近感がつかみにくい内視鏡手術の訓練システムを、大分大と開発してきた。ベテラン医師の鉗子(かんし)さばきをそのまま記録して、若手医師に「手」の動きを直接教えるシステムだが、次はベテランの「知」をAIで伝える仕組みを開発することになった。 AIによる支援システムの開発は2017年からスタート。大分大で実施された約100人分の手術映像をもとに、同大の岩下幸雄講師(肝胆膵(かんたんすい)外科)らがAIが学習に使う素材として約1万枚の画像を用意。臓器の位置をAIに学ばせたという。 18年12月と翌年9月には、システムを使って実際に手術をした。医師らが同時に臓器を確認しながら、スムーズに実施できたという。研究グループは今後、複数の病院と協力して実績を増やし、5年後の実用化をめざす。徳安さんは「より多くの患者の命を救えると確信を持ってがんばってきた。なんとしても実現したい」と意気込む。 さらに、胃や大腸の手術でも使えるようシステムを発展させる考えだ。猪股さんは「経験が少なくても、安全な手術ができるよう補助する技術。間違ったところを切ろうとすると自動的にブレーキがかかるなど、安全な手術のためのベースになる」と期待している。 https://digital.asahi.com/articles/ASN3S3GVMMDNTIPE022.html?iref=pc_ss_date この記事を英語で読みたい方は、こちらをご参照ください: https://www.j-abc.com/blog/doctors-use-ai-software-to-assist-with-gallbladder-operations-in-japan.html
The Australian Financial Review紙によれば、オーストラリアの鉄鉱石生産量は、第一四半期で記録的な数値となり、オーストラリアにとっては明るいニュースとなっています。
新型コロナウィルスの影響で、企業の利益が減少している中、経済政策に巨額の資金を投入している政府にとって、資源の好調で多くの税収が見込まれることはありがたいことです。 BHPだけでなく、Rio TintoやFortescueも生産量を加速しており、多くの税収が見込まれるとのことです。 中国からの需要については今後も続く見込みで、オーストラリア国内で最も多くの税金を納めている企業たちの好調は、この状況で負債が増えている政府にとってはうれしいニュースです。 新型コロナウィルスで驚いたことの一つが、鉄鉱石価格が1トン当たり80米ドル以上を持続していることです。BHPの生産コストは、1トン当たり13~14豪ドルであることから、多くの利益が見込まれています。 https://www.afr.com/chanticleer/bhp-s-team-australia-moment-20200421-p54lq4 この記事を英語で読みたい方は、こちらをご参照ください: https://www.j-abc.com/blog/bhps-record-iron-ore-production-in-the-march-quarter.html
日本経済新聞によれば、欧州系大手投資ファンドのCVCキャピタル・パートナーズは、今後数年間で日本市場に1500億円前後を投資する方針です。日本地域の赤池敦史代表が明らかにしました。新型コロナウイルスの感染拡大で景気の先行き不透明感が強まるなか、企業への投資だけでなく「企業との共同投資」を重点分野と位置づけます。
CVCは4月上旬にアジア・太平洋地域を投資対象とする新ファンドで45億ドル(約4900億円)の資金調達を完了させた。このうち3割程度を日本市場での投資に振り向けたい考え。 新ファンドは低金利環境下で投資家の需要を集め、調達額は当初目標だった40億ドルを上回った。欧米の大手年金基金のほか、今回は日本や他のアジア各国からの投資割合が増えたという。 赤池氏は「ここ数年、各ファンドが買収する案件の価格が割高で推移しており、あまり投資してこなかった。むしろ保有資産の売却を優先してきた」と話す。今後は足元の経済環境を踏まえ「優良な事業を持ちながらも一時的に資金の余裕がなくなっている企業にも投資を考えていきたい」と述べた。 CVCは経済がコロナウイルスによるショックから完全に復調するまで数年を要するとみている。日本企業が抱える創業者の後継者問題や非中核事業の売却といった課題解決にファンド資金を活用できるとみている。 赤池氏は「例えば海外で割安な資産を買収できる好機があれば、日本企業と共同で買収することも検討していきたい」とも述べた。ファンドの出資者からの追加投資やCVCが他地域で立ち上げているファンド資金も活用し、1案件あたり数千億円規模の投資も可能だとしている。 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58078420V10C20A4EE9000/ この記事を英語で読みたい方は、こちらをご参照ください: https://www.j-abc.com/blog/private-equity-firm-cvc-to-invest-14bn-in-japan-market.html
9 Newsによれば、オーストラリアで臨床試験を専門とするNucleus Network社は、米国に本社があるバイオテクノロジー企業のNovavaxとパートナーとなり、NVX-CoV2373ワクチンの臨床試験を数週間中に開始すると発表しました。
COVID-19ワクチンのフェーズ1臨床試験がオーストラリアで開始する予定で、海外でもまだわずか3例目ということです。 米国以外で、COVID-19ワクチンの臨床試験が実施されるのは、初めてです。 Nucleus Network社のCEOであるCameron Johnson氏は、「Nucleus Networkは、フェーズ1ワクチン試験に関して豊富な歴史と、Novavaxとの長年の実績があります。 私たちは、今後数週間にわたって最初の人による臨床試験で迅速なテストを実施する予定です。」と述べました。 また、「メルボルンクリニックとブリスベンクリニックの両方で、この試験を実施する予定で、Novavaxがフェーズ1の試験に着手し、NVX-CoV2373をその後の開発を迅速に実施できるよう支援します」と述べています。 Novavaxは、これまで流行した2つのウイルスであるSARSとMERSのワクチンの開発について、初期段階で大きな貢献をしてきた企業です。 https://www.9news.com.au/national/coronavirus-cure-covid-19-vaccine-testing-in-australia-novavax-nucleus-network/73bb2d7b-f7bf-4f83-8a30-74cd1d6c3bff この記事を英語で読みたい方は、こちらをご参照ください: https://www.j-abc.com/blog/nucleus-network-begins-covid-19-vaccine-testing-in-australia-in-coming-weeks.html
朝日新聞によれば、新しい国立競技場をはじめ木を使った大規模な建物が注目されているようです。大手ゼネコンの竹中工務店(大阪市)は2013年、国内初となる商業とオフィスの「木造ビル」を横浜市と大阪市に相次いで建てました。火災に弱く、不可能とされてきた木のビルを可能にしたのが、耐火集成材「燃(モ)エンウッド」です。
柱や梁(はり)に使う燃エンウッドは三つの部分から成る。建物の重さを支える中心部の木材(集成材)の周りを、熱を吸収するモルタルで保護。その外側を木材で囲んだ。 火事になると外側の木は燃えて炭化し熱が伝わりにくくなる。さらにモルタルも熱を吸収することで、中の木材に火が回らない仕掛けだ。1、2時間加熱後に放置しても燃え進まず、自然に鎮火する。 「燃える木を、燃えないようにする。この矛盾の解決こそ、難題だった」。同社技術研究所の構造部防火グループ主任研究員、大橋宏和さん(59)はそう振り返る。 震災時の火災や倒壊などを考慮した1950年制定の建築基準法では、高さ13メートル、軒先の高さ9メートルを超す大規模建築物は木造では建てられなかった。だが2000年の改正で、一定時間、火災に耐えられるなら、繁華街など都市部の防火地域でも大規模な木造建物を造れるようになった。 これを受け03年、同業の大林組と開発に着手。木を覆う素材に鉄や石膏(せっこう)も使って耐火試験を繰り返した。木の密度が足りなかったり、中心部を保護する材料に問題があったりすると燃え尽きる。今度は大丈夫、ともくろんでも“灰”になったことが幾度か。 失敗を乗り越えて08年に技術が完成。その後は両社が独自に開発を進めた。 ただ、学会で成果を発表しても、実用化の見通しはなく「塩漬けを覚悟した」(大橋さん)。ところが公共建築などに木材の利用を促す法律が10年に施行されたことが追い風に。その後、14階建てのビルも造れる燃エンウッドを開発。燃エンウッドを使った建物が現在までに9棟、今後も新築が7件予定されている。 二酸化炭素を吸収して育った木を建材にし、新たな木がまた二酸化炭素を吸って育つ循環ができれば、森林や林業の再生、温暖化対策にもつながる。「木の柔らかみと温かさも、人々の暮らしを潤します」と大橋さんも期待を膨らませる。 https://digital.asahi.com/articles/DA3S14422758.html?iref=pc_ss_date この記事を英語で読みたい方は、こちらをご参照ください: https://www.j-abc.com/blog/fireproof-wood-lets-large-timber-buildings-sprout-up-in-japanese-cities.html 朝日新聞によれば、大分県は、航空機を使って空から人工衛星を宇宙に打ち上げる「水平型宇宙港」として大分空港を活用することで、米企業ヴァージン・オービットと合意したと発表しました。水平型ではアジア初となる宇宙港実現に向け、2022年の打ち上げ開始をめざします。
航空会社などを擁する英ヴァージングループの同社が県に打診していた。大分空港には3千メートル級の滑走路があり、企業が連携して人工衛星開発に成功するなど県内には先端技術も集積。今後の協力や宇宙産業の発展が見込める点が評価された。同社が打ち上げを構想する空港は米国2カ所と英国1カ所に続き、4カ所目となる。県は環境整備や国との法律面での調整などを進める。 水平型では、航空機B747―400型機を改修した機体「コズミック・ガール」に人工衛星を載せた小型ロケット「ランチャーワン」をつり下げて離陸。高度約1万メートルで切り離し宇宙に発射する。同社のロケットは重さ500キロまで搭載でき、通信衛星や観測衛星など商用小型衛星の打ち上げを想定している。現在、米国内で高空からロケットを落下させて挙動を調べるテストまで終えた。 大分空港はB747の離着陸の拠点になる。敷地内か周辺に、ロケットの整備や衛星の積み込みをする施設も建設される。県は「アジアで初めての水平型打ち上げを行う宇宙港に」と意気込む。 大分県庁での記者会見には、構想を支援する一般社団法人スペースポートジャパンの代表理事で宇宙飛行士の山崎直子さんもネットを通じて参加。「アジアの宇宙輸送のハブになることを期待している。国内でも有人宇宙飛行船を開発しているベンチャー企業が複数あり、将来的には人が宇宙に行けるようになれば」と語った。 地上から打ち上げる「垂直型」の宇宙港は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の種子島宇宙センター(鹿児島県南種子町)など4カ所ある。ほか3カ所は、鹿児島県肝付町のJAXAの内之浦宇宙空間観測所、堀江貴文氏のインターステラテクノロジズが拠点とする北海道大樹町の大樹航空宇宙実験場、スペースワンが計画を進める和歌山県串本町のスペースポート紀伊。 https://digital.asahi.com/articles/ASN456FV1N43TPJB00Y.html?iref=pc_ss_date この記事を英語で読みたい方は、こちらをご参照ください: https://www.j-abc.com/blog/oita-airport-to-become-asias-first-air-to-orbit-launch-base-in-japan.html
The Australian Financial Review紙によれば、クイーンズランド州のガス開発会社Arrow Energyを買収してからほぼ10年後、ShellとPetroChinaはついにArrowの資源開発の第1フェーズに青信号を出しました。原油価格の低迷を受けて、セクター全体での支出を削減しプロジェクトを進めるようです。
これは市場では予測していなかった決定であり、これにより年間900億立方フィートの炭層ガス供給が開始されるため、2023年に予測されている東海岸ガス供給不足の問題を回避するのに貢献できると考えられています。 第一フェーズの開発は、約20億豪ドルのコストがかかり、一部は東海岸の地元市場で販売され、また一部はGladstoneにあるシェルのQCLNGプラントを通じて輸出される予定です。 最初のフェーズでは600以上の掘削が実施され、プロジェクトは27年間実施される計画です。第3〜5のフェーズ全体では2500以上の掘削が実施される予定です。 建設は今年から始まり、2021年にはガス供給される予定です。 https://www.afr.com/companies/energy/shell-defies-downturn-with-10b-arrow-gas-go-ahead-20200417-p54kpd この記事を英語で読みたい方は、こちらをご参照ください: https://www.j-abc.com/blog/shell-defies-downturn-with-10b-arrow-gas-go-ahead-in-qld.html
日本経済新聞によれば、自動車向けヘッドランプ大手、スタンレー電気が光の応用技術を生かした「殺菌」事業に取り組んでいます。これまで投資家の関心は薄かったのですが、新型コロナウイルスの感染が広がり、市場では公衆衛生に関わる企業の再評価が始まったようです。「コロナ後」の社会の変化を見据えて投資マネーの動きが変わるかもしれません。
スタンレーが用いるのは紫外線だ。波長の短い紫外線を照射するとDNAの二重らせん構造が破壊され、水や空気中の菌が細胞分裂による増殖機能を失って死滅する。薬品を使わずに殺菌ができるので、装置の手入れがしやすく自然環境への影響も少ないとされる。2月には、国際協力機構(JICA)がSDGs(持続可能な開発目標)につなげる事業として、インドで飲料水の消毒プロジェクトを同社に委託した。下痢による子供の死亡や、ペットボトルごみの削減につながるという。 紫外線を使う殺菌は、以前は医薬品や精密機械の製造に用いる大型装置が主流だったが、スタンレーは、より寿命が長い小型の蛍光管を用いた製品を2010年に実用化した。浄水器や加湿器などに使われ、家電大手の空気清浄機にも採用されている。直近では水殺菌向けで売上高は20億円ほどとみられる。19年11月には米国で水殺菌用発光ダイオード(LED)部材メーカーを約40億円で買収すると発表した。LEDの出力をこれまでの4倍に高められる可能性があるとみて、浄水場などに売り込む。 スタンレーは営業利益の6割を自動車向けが占める。殺菌事業は、部門別業績では液晶パネル用バックライトなど「コンポーネンツ」に含まれる。これまで株式市場から大きく注目はされていなかった。同社で「殺菌事業を25年3月期に売上高で500億円、営業利益で100億円の事業を目指す」(飯野勝利取締役)。これまで紫外線を使う水殺菌は水銀ランプが主流だったが、LED技術を生かすことで殺菌能力の強い波長を高い出力で出せるといい高い採算を狙っている。連結営業利益は19年3月期に539億円だったので、極めて意欲的だ。 直近では年初からの株価下落率は37%安。自動車メーカーが相次ぎ生産を休止しているため、日経平均(21%安)よりも評価が厳しい。21年3月期は当初、ホンダなどの新車に採用され部品の供給が広がるとの期待が強かっただけに、反動もあるようだ。 ただ新型コロナの感染が世界に広がり、投資家の価値観は変わりつつある。ESG(環境・社会・企業統治)を重視してきた投資マネーが、医療に関わる企業にも資金を回している。マネックス証券の広木隆チーフ・ストラテジストは「衛生に対して意識が低かった国でも、今後は強く意識されるようになる」と指摘。モルガン・スタンレーMUFG証券の垣内真司アナリストはリポートでスタンレーについて「水殺菌用LEDにも注目できる」と指摘した。 殺菌装置をめぐっては、電解水など様々な新技術が互いに用途を広げようとしのぎを削っている。ひとつひとつの実績の積み上げていけば、新しい視点の投資家を振り向かせることにつながるかもしれない。 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57658560T00C20A4000000/ この記事を英語で読みたい方は、こちらをご参照ください: https://www.j-abc.com/blog/germ-killing-uv-lamps-from-japanese-headlight-maker-gain-attention.html |
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