日本経済新聞によれば、欧州などでは人気がある植物肉を用いた食品メニューが、日本でも注目され始めているようです。3月末、東京駅改札内の商業施設「グランスタ」の弁当エリアに大豆ミート専門の店舗が現れました。伊藤ハムグループの伊藤ハムフードソリューションが期間限定で開いた店舗です。「大豆ミートのそぼろ弁当」や「大豆ミートのハンバーガー キーマカレー」などの植物肉を用いた約20の商品が並びました。
「想像以上に肉っぽい」「肉を使っていないことに気づかない」。商品を購入した消費者から寄せられた感想に伊藤ハムは植物肉を用いた食品メニューの完成度に自信を深めた。4月18日からはJR錦糸町の駅ビル内の直営店でパン類や弁当の販売を始めた。順次、販売網を広げる方針だ。 食肉国内最大手の日本ハムも3月、大豆を用いた家庭向け植物肉の新ブランド「NatuMeat(ナチュミート)」を立ち上げた。植物肉を使った総菜のほか、ハムやソーセージを展開する。ソーセージでは大豆に加え、こんにゃくを用いるのが特徴。より食感をジューシーにするなど工夫をこらして勝負する。 植物肉市場は欧米で盛り上がりをみせるが、日本でも普及の兆しが見え始めた。国内では食肉とは畑違いの大手食品メーカーで植物肉市場参入の動きが広がるなか、長年食肉加工のノウハウを培ってきた日本ハムや伊藤ハムなど食肉大手も相次ぎ新規参入に動く。食肉を巡る危機感が老舗を新分野への挑戦に突き動かす。 日本ハム・ソーセージ工業協同組合(東京・渋谷)によると、国内の食肉加工品の生産数量はここ数年横ばいが続き、2019年は18年比0.6%減った。最近は物流コストが増え、消費者の低価格志向で小売店での価格競争も激しい。さらに伊藤ハムの春名公喜・事業戦略統括部長は「世界で食肉需要が増え、供給不足や価格高騰が懸念される」と語る。 食肉大手にとって、植物肉は自社のビジネスの脅威にもなりかねない。だが、日ハムの畑佳秀社長は「世界的に人口の伸び以上に食肉需要が高まっており、植物肉がすべて食肉と置き換わることはない」と指摘。むしろ、日ハムは危機から転じ、日本が植物肉の世界で飛躍するチャンスがあるとみる。カギを握るのは日本伝統の食文化だ。 日本フードアナリスト協会の横井裕之理事長は、「日本は精進料理などの文化があり、大豆を扱うのは得意だ。植物肉は世界的に有望な市場となるので、さらなる発展を期待できる」と話す。畑氏も「日本では豆腐をはじめ、大豆たんぱくが重宝されてきた。植物肉は新たなたんぱく質のメニューになる」と意気込む。 実はニッポンハムグループは魚や高たんぱく質の乳製品を展開し、たんぱく質を供給している。食肉をはじめ、多様なたんぱく質食品を提供する総合食品メーカーとして成長する戦略を描く。植物肉を有力な武器に育てたい考え。 布石は打っている。日ハムは大豆ミート以外でも、細胞培養技術を持つインテグリカルチャー(東京・新宿)と19年に連携し、培養肉の基盤技術開発を進める。安定した製造技術の開発につなげるため、日ハムの肉製品の製造ノウハウを、インテグリ社に提供する。 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58621840Z20C20A4X13000/ この記事を英語で読みたい方は、こちらをご参照ください: https://www.j-abc.com/blog/japans-plant-based-meat-industry-beefs-up-its-menu.html?lang=ja
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