朝日新聞によれば、抗がん剤の副作用を軽くしたり、認知症患者の不眠を解消させたりするため、医療現場で漢方薬を採用する動きが広がってきたようです。漢方は日本の伝統医学で、植物などの生薬をもとに体質改善を図るもの。医学界も東洋と西洋の医学の「融合」により、漢方薬の活用に向けた研究を加速します。
今月3日、東京都千代田区のホテルで「国民の健康と医療を担う漢方の将来ビジョン研究会」が設立されました。会長は日本医学会長を務める高久史麿氏で、横倉義武・日本医師会長や日本薬剤師会長、日本東洋医学会長らメンバー12人で構成します。 医療団体の各トップががん領域や高齢者への漢方薬の活用を話し合います。来年2月には公開フォーラムを開き提言をまとめる考えです。 高久会長は記者会見で、「西洋医学と漢方をうまく組み合わせることが大切。世界的に認められた漢方薬もある。国際的な研究でエビデンス(科学的根拠)を蓄積することが必要だ」と語りました。 漢方は東洋医学の一つで、漢方薬に使う植物などの配合は約1800年前の中国の古典に記されているものもあります。経験的に「効果がある」とされながら、漢方を使ったり患者に処方内容をきちんと説明できたりする医師は限られてきました。 漢方薬の存在感が高まったのは、科学的なメカニズムが近年、解明されてきたからです。日本漢方生薬製剤協会によると現在、保険適用される医療用漢方薬は148種類。うち約30種類が科学的に解明されました。 例えば、漢方薬の「大建中湯(だいけんちゅうとう)」は腸の働きを改善する効果が解明され、抗がん剤による食欲不振の患者には「六君子湯(りっくんしとう)」が症状を和らげてくれることが証明されるようになりました。米国の有力な学会で効果が発表される機会も増え、化合物を中心とした西洋薬を処方する医師たちにも、漢方薬に対する理解が広がりました。 東京都港区の「芝大門いまづクリニック」には全国から毎月、延べ約500人の患者が来院します。6割ががん患者で、3分の2に漢方薬を処方します。「西洋薬ではあきらめざるを得ない症状を緩和し、患者の苦しみを軽くできる」と今津嘉宏院長。完全保険診療で患者負担も軽いということです。 医療用漢方薬国内シェア8割を占めるツムラの販売量もこの15年で3倍に増えました。ただ、原料となる植物を安定的に調達することは課題で、ツムラは日本国内での栽培を増やしています。 http://digital.asahi.com/articles/ASJ8422ZPJ84UBQU001.html http://image.healthil.jp/article/original/30813.jpg この記事を英語で読みたい方は、こちらをご参照ください: http://www.j-abc.com/blog/-the-use-of-traditional-herbal-medicines-is-spreading-at-health-care-institutions-in-japan
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