日本経済新聞によれば、金融と情報技術を組み合わせたフィンテック事業を手掛ける企業への投資が急増しているようです。2016年は世界で240億ドル(2兆4000億円強)と過去最高を更新する見通しです。日本でも関連する金融商品が相次いで立ち上がり、三井住友アセットマネジメントが新たに設定する投資信託は当初の運用規模が700億円超と今年最大になります。個人も含めた投資マネーの流入で、金融業の技術革新が一段と加速する可能性が出てきました。
フィンテックはファイナンスとテクノロジーを組み合わせた新語。最新の情報技術を活用し、決済や運用などの金融事業の利便性や効率性を高める事業を指します。 データ処理などテクノロジーの進歩を受け、米国を中心にフィンテック事業に挑むベンチャー企業が相次いで登場。投資額も急拡大しています。世界の投資額は14年までは100億ドルに満たなかった状況でしたが、15年に197億ドルと倍増したもよう。16年はさらに2割増え、20年には約461億ドルまで膨らむと予想されています。 地域別では米国が先行しており、15年には投資額の6割強を集めました。業態別では個人向けの決済やオンラインの融資事業が目立っています。コンピューターのプログラムが個人の資産運用を指南する「ロボット・アドバイザー」も有望視されています。 海外勢を追いかける形で日本でも投資が盛り上がり始めています。三井住友アセットが9日に設定する投信、「グローバルAIファンド」はすでに700億円超の資金を集めました。今年、新規設定された投信では最大規模でのスタートとなります。同投信は世界の人工知能(AI)関連企業を投資対象とし、フィンテック企業にも資金を振り向けるとのことです。 楽天は昨年11月、フィンテック関連企業に投資する1億ドル規模のファンドを設立しました。北米や欧州を中心に、決済や送金事業を手掛けるベンチャー企業を開拓します。ベンチャー企業との協業を目指す企業の仲介も担う予定です。 金融機関による出資案件も増えています。みずほ証券はアジアのフィンテック企業を発掘するシンガポールのファンドに最大20億円投資する計画。SBIホールディングスの「FinTechファンド」は300億円を集め、すでに約60億円の投資実績があります。三菱東京UFJ銀行は仮想通貨取引所を運営する米コインベースに出資しました。 米国では「金融の主役交代の可能性が意識されている」(野村総合研究所の城田真琴上級研究員)。投資マネーの大規模な流入は、フィンテック企業による新しい金融サービスの普及や、金融業界の勢力図の変化を促す要因となります。 http://www.nikkei.com/article/DGXLZO07003410Y6A900C1MM8000/?dg=1 この記事を英語で読みたい方は、こちらをご参照ください: http://www.j-abc.com/blog/-japan-joins-global-herd-in-fintech-investment-rush
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