日本経済新聞によれば、東京電力ホールディングスは東北電力と送配電事業での連携に向けて協議するようです。資材の共同調達や設備の一体運営などによるコスト削減を検討します。今秋にも具体策をまとめる方針。東電は火力発電事業については中部電力と統合するようです。事業ごとに他社と組むことをめざす東電を軸に電力業界で連携を探る動きが広がってきました。
東電は傘下に発電と送配電、小売りの事業会社を持っています。送配電は発電所でつくった電気を家庭や工場といった需要家まで届ける事業。周波数が安定した質の良い電気を維持するには、需要と供給を常に一致させる必要があります。営業地域が隣接し、電気の周波数帯も同じ東北電と一体的に運営すれば、早期にコスト削減効果が見込めます。 東北電に対し、ケーブルや変電所の設備などの購入を共同で手がけて調達費用を減らすことを提案。発電量が変わりやすい太陽光や風力発電の増加に対応するため、お互いの水力や火力発電所を活用し合うなど、協力して設備を効率的に運用する方針です。 東電は他の電力会社と全国規模で送配電事業で協力した場合、年1200億円近くのコスト削減ができると試算しています。東北電以外の電力会社にも連携を呼びかけるようです。 ただ、福島第1原子力発電所事故の負担を抱える東電との事業統合には慎重な姿勢を示す電力会社が多いようです。関西電力と中部電力、北陸電力の3社は6月、東電を含まない形で送配電で連携すると発表しました。東電は再編を前提とせず、まずは現体制のままでの連携を呼びかけています。 東電は総額約22兆円にのぼる福島第1原発事故の処理費用を確保するため、5月に新経営再建計画をまとめました。2019年度の統合を決めた中部電力との火力発電事業に続き、送配電も20年代の早い時期に他社と「共同事業体」を設立して再編や統合を進めるとしました。 東電は原発事業でも他の電力会社と提携を進める方針を打ち出しています。東電には建設工事が中断している東通原発(青森県)があり、この隣接地に原発を持つ東北電を有力候補としているもようです。東北電の原田宏哉社長は東電との再編には距離を置く一方で事業面での協力には「話は伺ってみたい」としています。 http://www.nikkei.com/article/DGXLZO19438790Q7A730C1TJC000/ この記事を英語で読みたい方は、こちらをご参照ください: https://www.j-abc.com/blog/japans-electric-power-companies-seek-joint-grid-operation
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