日本経済新聞によれば、資源メジャーの豪英BHPグループと三菱商事は鉱山運営を刷新するようです。投資額は500億円規模のもようです。オーストラリア東部で最大約350台の無人ダンプトラックを導入し、人工知能(AI)によるデータ分析を通じて生産コストを15%削減します。英豪リオ・ティントと三井物産も鉄鉱石運搬用の無人列車を世界で初めて導入しました。世界景気が減速するなか資源の市況に左右されにくい体質を目指すようです。
BHPと三菱商事は折半出資会社を通じて鉱山事業「BMA」を運営。世界最大級の事業で製鉄用の原料炭を年約7000万トン生産している。豪州東部の直線距離約250キロメートルの範囲に7つの鉱山がちらばり、運搬列車なども保有する。 2018年度の三菱商事への純利益の貢献は2469億円で、全社の利益の4割に相当する屋台骨だ。ただ世界経済の減速を受けた市況悪化で19年4~9月期は762億円にとどまった。 市況に左右されにくい事業体質を目指し、BHPと三菱商事はコマツや米キャタピラーの無人ダンプを導入する。20年から7つある鉱山の1つでまず約90台を導入。結果を見ながら最終的には約2年かけて合計約350台にする方針だ。 コマツは08年に無人ダンプ運行システム(AHS)を商用化し、世界の鉱山で19年までに累計180台超が稼働している。三菱商事などの投資によって、そのペースは大きく加速しそうだ。 既存の有人運転のダンプに遠隔操作用の通信設備を後付けする。ダンプを無人化すると鉱山の生産コストを15%削減できる場合もある。鉄塔など無線通信インフラも整備する。次世代通信規格「5G」も活用予定。三菱商事とBHPによる無人ダンプと通信インフラへの投資額は500億円規模とみられる。 両社はさらに20年から鉱山運営のビッグデータシステムを共同開発する。ダンプの台数や稼働率、気象条件、生産・出荷量などのデータを集めてAI分析する。故障を予知するなどしてダンプの稼働率を改善する。 鉱山運営の効率化は二酸化炭素(CO2)排出削減にもつながる。BHPは温暖化ガス排出量について22年は17年より減らすことを目指す。 三井物産も運営する鉱山の自動化を急ぐ。同社にとって豪州の鉄鉱石は年間1000億円規模の利益貢献がある主力で、BHPとリオ・ティントとそれぞれ合弁事業を展開。鉄鉱石の持ち分生産量は世界6位だ。 リオ・ティントと三井物産は18年12月、鉄鉱石を運ぶ無人鉄道を世界で初めて本格運行させた。豪州西部ピルバラ地区にある15の鉱山と積み出し港などを結ぶディーゼル機関車の鉄道で、総延長約1700キロメートル。約1500キロ離れたパースから遠隔操作する。AIで運行データや機関車の振動、気象条件も分析。傷んだ線路を事前に補修するなどして稼働率を高め、生産性を数%改善した。 世界的な景気減速で足元の鉱山の事業環境は厳しさを増している。商社や金属メジャーは生産性を改善して競争力を維持する方針。市況変動への耐性を高めるために鉱山運営の無人化とデジタル化が加速しそうだ。 https://www.nikkei.com/article/DGKKZO54676600R20C20A1TJ1000/ この記事を英語で読みたい方は、こちらをご参照ください: https://www.j-abc.com/blog/australian-coal-mines-ride-self-driving-wave.html?lang=ja
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