日本経済新聞によれば、2018年の訪日外国人(インバウンド)が3千万人を超えた。年間4兆5千億円の消費は地域経済や企業を潤す一方で、外国人目当ての料金つり上げや地元住民とのトラブルも増えている。政府は20年に訪日客を4千万人に増やす目標を掲げる。安全で持続的な受け入れ体制を整える取り組みが各地で始まった。
訪日客全体の4割が訪れ年間1兆円超のインバウンド消費にわく関西。斬新な外観が目を引く梅田スカイビル(大阪市)は2017年度に約150万人の来場があった。08年に英メディアの「世界の建築トップ20」に選ばれたことで来場者数は3倍に増え、うち75%を外国人が占める。 だが日本人だけで見ると、17年度は37万人と14年度から3割以上減った。訪日客を見込んだ強気の値上げで、15年3月まで700円だった入場料は今は1500円。日本の観光客からは「値段が高すぎて行く気がしない」との不満が漏れる。 「ナニワの台所」として名高い黒門市場でも、食材の価格高騰が起きている。高級品種のカニは足が1本2千円。「何千円もするカニや神戸牛って、市場で楽しむには高い。それならレストランできちんと味わいたい」(ドイツ人男性)といった不評を買いつつある。 京都・錦市場では昨秋から「新ルール」が話題を呼ぶ。食べ歩きを禁じる趣旨を英中韓日の4カ国語で記した立て看板を設置。訪日客の増加でゴミの散乱も目立っており、景観の維持やトラブル防止を狙う。京都錦市場商店街振興組合(京都市)は、ゴミ箱の増設や出店者に飲食スペースの開設を呼びかける。 訪日客に人気の北海道も対応を迫られている。道内での外国人向けのレンタカー貸出件数は17年に8万台強と5年で5倍に増えた。18年12月には香港の有名俳優と香港警察幹部の車が正面衝突するなど、不慣れな外国人の交通事故が増加。外国人のレンタカー運転中の死亡割合は日本人利用者の4倍に上る。 北海道警は自治体と協力しながら「一時停止」の標識に「STOP」と併記したものを新千歳空港や観光スポットの周辺でおよそ400本設置するなど、対応を急ぐ。 宿泊先として「民泊」を使う訪日客も多いが、騒音などを巡り周辺住民とのトラブルもある。 楽天子会社の楽天コミュニケーションズ(東京・世田谷)は、騒音を検知すると宿泊者に室内のタブレット(多機能携帯端末)で「静かにしてください」などと多言語で表示するシステムを開発した。家主にもメールで知らせる。北海道などの民泊施設で導入が進む。 文化や生活習慣の違いから生まれるトラブルをどう防ぐか。観光立国を目指す上で避けて通れない課題だ。 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO40236950Z10C19A1EA5000/ この記事を英語で読みたい方は、こちらをご参照ください: https://www.j-abc.com/blog/foreign-visitors-bring-cash-and-headaches-in-japans-tourism-boom
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