現在、多くの方が白血病に苦しんでいます。日本でも治療薬の開発のために最新の研究が行われています。
本日付の朝日新聞によれば、よく使われるエイズ治療薬の一つが、日本人に多い成人T細胞白血病(ATL)のがん細胞を殺す働きがあることを京都大のグループが見つけたようです。今のATLの治療は薬も骨髄移植も効果が限られますが、グループは、この薬が新たな治療法になるか確かめる臨床研究を今秋にも始めるとのことです。 研究成果は米科学誌サイエンス・アドバンシズに25日発表する予定です。ATLは、白血球の一種の「T細胞」に「HTLV―1」というウイルスが感染して起き、母親から子へ母乳で感染したりし、発症すると感染した細胞が異常に増殖して全身に広がります。国内の感染者は約108万人で、うち5%ほどが発症するとのことです。 エイズも同じタイプのウイルスが原因で、感染した細胞で自身の遺伝情報を持つDNAを合成して増えます。ATLにも効くエイズ治療薬がないか、グループは培養したATL細胞で様々な薬を試すと、ウイルスがDNAを合成することを妨げる「アバカビル」に最も高い効果がみられたとのことです。 この薬は、細胞に元々ある染色体DNAにはほとんど危害がないと考えられていました。しかし、今回の研究で、染色体DNAも傷つけられてはいるが、通常の細胞ではDNA修復酵素の働きで修復されていることが判明。ATL細胞ではこの酵素の働きが落ちており、染色体DNAが修復されずに死ぬことがわかったとのことです。 臨床研究は長崎大、佐賀大と実施。効果と安全性が確かめられれば、この薬がATLにも使えるよう製薬企業に適応拡大を申請してもらうとのこと。グループの高折(たかおり)晃史・京大教授(血液内科)は「アバカビルは副作用も比較的少ない飲み薬なので、抗がん剤と併用でき、治療が広がる可能性がある」と話します。今回見つかったDNA修復酵素の不具合は、肺がんなど別のがん細胞でも報告されているといいます。 ATLの3年後の生存率は、通常の化学治療では約2割、骨髄移植では約3割とされます。国立がん研究センター東病院などは、別のエイズ治療薬「ジドブジン」とインターフェロンを併用する臨床研究を進めています。 http://digital.asahi.com/articles/ASH4Q7QX7H4QPLBJ006.html
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