
セラミックスはニッケルやチタンより軽くて熱に強い。セラミックス製エンジンができれば燃費の大幅な改善が見込めるが、もろいのが弱点です。このため、航空機エンジンの部品に使うのは難しいとされてきました。
横浜国大は酸化アルミニウムで作ったセラミックスに炭化ケイ素を添加すると、高温下で亀裂が入っても炭化ケイ素が空気と触れて二酸化ケイ素となって傷を埋める修復能力を持つことを発見しました。
しかし修復に1千時間近くかかっていました。そこで物材研が微量の酸化マンガンを添加し、1千度の高温で最速約1分で修復させることに成功。二酸化ケイ素が亀裂を埋める時、周辺の酸化アルミニウムと反応して一時的に液体に似た状態になるが、酸化マンガンはこの現象を促進するということです。
物材研の長田俊郎主任研究員は「このセラミックスを部材に使えば、飛行中に亀裂が入ってもエンジンを止めることなく着陸までに直る」と指摘。横浜国大の中尾航教授は「様々な部材に応用が可能だ」とし、実用化に向けた研究を進めるということです。温度が低くても修復するよう改良を加えて新幹線の台車を造れば、ひびが入っても自己修復して走り続けるといったことも将来的に可能になるということです。
https://digital.asahi.com/articles/ASKDX0PVJKDWUJHB00N.html
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https://www.j-abc.com/blog/self-repairing-ceramic-developed-in-japan-eyed-for-aircraft-engines-shinkansen