同社の発表によれば、この栽培システムは商用化レベルでの実施は世界で初めてということです。65ヘクタールの施設は、海水淡水化装置と屋内農場などを2億豪ドルの総工費をかけて建設しました。
このプロジェクトは、砂漠で農業などに適していない地域でも農業ができるシステムの一つとして、すでに米国や欧州でテストも行われています。
同社は10月に、アデレードの北300kmに位置するポートオーガスタの砂漠地域に5ヘクタールの屋内農場を作りました。
2万3,000枚の鏡を設置し、127メートルのタワーにて効率的に集めた太陽光を使って発電を行っています。発電した電力を利用して、海水の淡水化や農作物の栽培などを行っています。
5キロ離れた湾から海水を引き入れ、海水淡水化装置で浄化し、毎日100万リットルの農業用水として活用しています。
Sundrop Farms社の最高経営責任者であるPhilipp Saumweberは、「太陽光と海水だけで農業が可能なこのモデルは、革新的だ。」と述べています。
土を一切使わない"水耕栽培法"を採用し、土の代わりに給水用のヤシ殻に種を蒔き、農作物を栽培しています。
また天候に左右されないことだけでなく、石油価格などの影響を受けないため、生産コストを抑えることが確実に実施できるということです。
オーストラリアの大手スーパーマーケットチェーンの一つであるコールスは、Sundrop Farms社と既に年間1万5,000トンのトマト購入に関する10年間の契約を締結しており、これにより長期的に安定した収入が見込むことが出来、ブランド化などを急ぐ必要もなくなっているようです。
12月19日のトマト販売価格は、市場価格が1キロあたり5.50~5.90豪ドルであるのに対して、Sundrop Farms社のトマトが1キロ当たり5.90豪ドルと変わらない価格となっています。
コールスによれば、顧客からトマトの味が良いと評判が良いようです。
http://asia.nikkei.com/Business/Companies/Behold-the-high-tech-desert-tomato?page=1
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http://www.j-abc.com/blog/-behold-the-high-tech-desert-tomato-in-australia