日本経済新聞によれば、上場企業の「稼ぐ力」の高まりが鮮明のようです。18日にほぼ出そろった2018年3月期決算で、純利益は前の期比35%増の29兆3788億円と2年連続で過去最高を更新しました。増益率は前の期(18%)と比べて大きく伸びました。世界的な景気の拡大を受け、電機や自動車などの製造業が全体をけん引しました。19年3月期は円高や原材料高が響いて2%の減益を見込みますが、企業の収益力は底上げされており、落ち込みは小さくなる可能性もあります。
日本経済新聞社が18日までに発表を終えた1566社(金融を除く)を集計しました。前期の売上高は8%増の557兆円と3年ぶりに増えました。コスト削減の効果で「減収増益」だった前の期に比べ、競争力のある技術や商品で売り上げを伸ばし、利益を増やした企業が目立ちました。 企業が予想した純利益の増加率は期末に近づくにつれて大幅に高まりました。期初は9%の増益見通しでしたが、第3四半期末で30%に上昇。結果はさらに上振れて着地しました。外需の拡大で売り上げが伸び、円安の追い風も吹いたためです。期中平均レートは1ドル=110.8円と、前の期比2.5円の円安でした。 米減税で会計上、2兆円近くの増益要因も発生しました。トヨタ自動車は17年5月時点で最終減益を予想していましたが、結果的には36%増の2兆4939億円と日本企業の最高額を更新しました。 最高益を更新した企業は全体の3割を占めます。業種別では全32業種のうち、約8割にあたる25業種が増益でした。製造業の増益率は50%で、非製造業の17%を上回りました。 特に改善幅が大きいのは電機と自動車です。この2業種合計で、全企業の増益幅の半分強を占めました。データ需要の拡大を受けて半導体製造装置が好調で、東京エレクトロンは77%の増益。三菱電機は工場の自動化投資向け機器が伸びました。自動車では日産自動車やホンダも最高益を更新しました。 非製造業で増益が目立つのは商社です。三菱商事は資源価格の上昇などで純利益が27%増加。資源の荷動きも活発で、日本郵船と川崎汽船は損益が改善しました。内需系では人手不足を背景に、人材サービスなどが利益を伸ばしました。 好調だった前期から一転、今期の純利益は2%減と3期ぶりの減益になる見通しです。円高の影響や米減税の反動で、自動車の減益幅は1.1兆円と大きい見込み。電機では半導体需要の拡大が続くほか、東芝のメモリー子会社の売却益が押し上げ要因となりますが、上場企業全体を補えません。 もっとも、主要企業の今期の想定為替レートの平均は1ドル=106.7円です。足元の円相場は110円台後半で推移しており、「企業業績が上振れる可能性は残る」(野村証券の松浦寿雄氏)との指摘もあります。 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30680870Y8A510C1DTA000/ この記事を英語で読みたい方は、こちらをご参照ください: https://www.j-abc.com/blog/corporate-japan-learns-to-boost-profitability
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