朝日新聞によれば、においを細かくかぎ分けられるロボットの実用化が進んでいるようです。開発中の嗅覚(きゅうかく)センサーは、人間にはわからないような違いを判別できる可能性があるといいます。食品管理や医療、防犯など幅広い分野への応用が期待されています。
物質・材料研究機構(NIMS)研究員の吉川元起(げんき)さんが開発した1ミリ四方程度のセンサーにはポリマー(高分子)の膜が張られていて、においの原因物質となる分子が吸着すると変形します。変形の度合いを電気抵抗の変化から解析して分子を特定する仕組みです。 膜の素材を替えることで、数百種類以上の異なる嗅覚センサーが作れるといいます。水と酢といったわかりやすい違いだけでなく、鶏、牛、豚の肉をにおいで判別することにも成功しました。このセンサーを搭載した機器を、京セラが来年の発売を目指しているといいます。 1980年代ごろから半導体などを使った嗅覚センサーの開発が進み、食品の品質管理や清掃業者による清潔度の確認などに使われてきました。ただ、判別できるのは特定のにおいや、においの強弱だけでした。新センサーについて吉川さんは「様々なにおいを判別でき、さらに小型で感度も高い。これら3点を同時に満たすものは他にはない」と話しています。人の健康状態を息から読み取ったり、食べ物の鮮度を測ったりする機器に応用できるといいます。 防犯カメラの開発を手がけるアースアイズ(東京都中央区)は、嗅覚センサーを活用した「防犯ロボット」を開発しています。山内三郎代表取締役は「怪しい動きをする人物がガソリンなどを持っていた場合、危険度が高いと判断できる」としています。2015年6月に東海道新幹線の車内であった放火事件も「嗅覚センサーがあれば、未然に防げたかもしれない」といいます。 応用先を広げようとNIMSは昨年9月、メーカーなどとともに「MSSアライアンス」を立ち上げました。嗅覚センサーシステムの業界標準を作るのが目的のようです。事務局の八重樫章さんは「スマートフォンなどにも組み込めるようなセンサーの開発を目指したい」と話しています。 http://digital.asahi.com/articles/DA3S12273182.html この記事を英語で読みたい方は、こちらをご参照ください: http://www.j-abc.com/blog/-olfactory-sensors-find-wide-range-of-practical-uses-in-japan
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