本日付のThe Australian Financial Review紙によれば、豪州三井物産の取締役であるWendy Holdenson氏は、「三井物産は、北部豪州からの安定した効率的な食物供給を、需要が拡大しているアジア市場に行うことに魅力を感じている。」と述べています。 三井物産は、オーストラリア国内の食肉産業への投資をターゲットにしており、2013年には西豪州の穀物輸出業者Plum Grove社の権益を25%購入しました。 ![]()
同社は、世界65カ国で活動を行っており、オーストラリアにおける天然資源と農業製品の輸出では、4番目に大きな企業です。これまで、資源やインフラに150億豪ドルにもおよぶ投資を行ってきました。
同氏によれば、「北部豪州地域は、生体牛の輸出だけではなく、フルーツ、穀物、大豆といった農業製品についても、輸出拠点になる大きなポテンシャルを持っている。」と述べています。 「例えば、大豆に関していえば、近隣国であるインドネシアからの需要が大きく、もし北部豪州地域で大豆が生産できれば、輸送コストの面で競争力が出る。」と同氏は話しています。 北部豪州地域は、オーストラリア国土の40%を占め、アジアへのアクセスも比較的近く、まだ農業に関しては未開発な状態です。 同社は、北部豪州地域での水とサプライチェーンを課題として認識しており、大量の商品を輸出できるインフラも課題として考えています。 北部豪州地域は、オーストラリアで生産されている年間3,000万トンのサトウキビのほとんどを生産しており、また、園芸や生鮮食品(マンゴーやメロンなど)への将来の投資場所の候補地として可能性があるようですが、このような商品は腐りやすい、ダメージを受けやすい、季節商品となることから、輸送に関しての課題もあるようです。 同氏によれば、「我々は、このような投資を長い間検討してきている。最も大事なことは、効率的な物流ネットワークを持つことで、これはオーストラリア国内だけでなく、最終的に商品を届けるアジア国内においても構築することが重要である。」と述べています。 牛の輸出に関しても、より効率的な処理や取り扱いを導入することで、大きな利益となります。牛は、オーストラリアで120億豪ドルの産業まで拡大し、その80%が北部豪州地域で行われています。CSIROの調査によれば、生産された牛の50%以上が、生産、処理、そしてマーケットまでの輸送で1,000km以上かかったことが判明しました。牛の輸送コストは、最終販売価格の40%程度まで占めることから、処理施設を適切な場所に設置することで、多額の費用を削減できるとのことです。 牛を適切に、しかも大量に取り扱うことが出来る施設ができれば、北部豪州地域からの生体牛輸出は、さらに拡大していくと、同氏は述べています。 2060年までに、アジアだけで10億人の人々が中間所得層となることが予想されており、食物への需要は倍増すると言われています。 同氏は、「オーストラリアは、食物生産で清潔、新鮮、安全という信用をすでに受けていることから、このような需要に応えることが出来る良いポジションにいる。自由貿易協定が最近締結され、また、今後このような協定が更に締結されることが見込まれることから、牛生産を行う産業などは今後恩恵を受けるであろう。」と述べています。 http://www.afr.com/news/special-reports/the-northern-australia-food-bowl-takes-shape-20160306-gnc2p6 この記事を英語で読みたい方は、こちらをご参照ください: http://www.j-abc.com/blog/-a-major-jpn-trading-company-is-attracted-to-the-north-of-australia-for-its-potential-pipeline-of-stable-efficient-food-supply
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