朝日新聞によれば、JR東海は、東海道新幹線の技術開発に取り組む小牧研究施設を報道機関に公開しました。新幹線の安全性や快適性を支える舞台裏をのぞきました。
73ヘクタールの広大な敷地に低層の研究棟や実験棟が点在します。ここに置かれた様々な大型実験装置から、現在の新幹線に使われている数多くの技術が生まれました。 「車両運動総合シミュレータ」は客室の乗り心地を検証する装置です。縦3・1メートル、横3・4メートル、高さ2・2メートルの模擬客室を下支えするアームが、上下前後左右に動き、車両の揺れや傾きを再現します。 客室内は一見、実際の新幹線と同じですが、5席×3列で15席しかありません。 「では出発します」。高速技術チームの足立昌仁マネジャー(49)が言うと、車体が加速しているような感覚を覚えました。車両が震え、景色が流れていくような映像が窓に映ります。「おお、すごい」。同乗した記者から声が漏れました。 「例えばカーブで、車体をどのタイミングで何度傾ければ最も乗り心地がいいのか。繰り返し実験すれば開発期間を短縮できます」。足立さんは説明します。 「低騒音風洞」は高速走行する車両の空気抵抗や騒音を調べるもの。全長72メートルの風路では、実際の走行速度を超える時速350キロの風を吹かせることができます。 パンタグラフの両脇にある「ホーン」という部品を使い、騒音実験の様子を見ることができました。小さな穴が多数ある「穴あき型」と穴のない「穴なし型」を時速200キロの風にかざすと、穴なしの方が風切り音が目立ちました。2007年に運転を始めたN700系から穴あき型が採用されています。 20年度に導入予定の新型車両「N700S」にも両装置を活用します。グリーン車に採用される最新の制振技術や、空気抵抗を低減した先頭車両の形状は、実験を積み重ねて生まれたものです。 まだまだあります。地震の揺れを加えたり、わざと車輪に異常を発生させたりして、不具合の前兆をとらえる「車両走行試験装置」。列車通過時の架線の揺れを再現し、開発した架線や金具の耐久性を検証する「架線振動試験装置」などです。 施設責任者の大竹敏雄技術開発部長(62)は「鉄道現場とは人事交流も盛んで、一体となっていいものをつくってきた自負がある。働き手の減る時代を見据え、より安全で合理的な業務のあり方に貢献したい」と話しました。 https://digital.asahi.com/articles/ASL393JLBL39OIPE00G.html?iref=pc_ss_date この記事を英語で読みたい方は、こちらをご参照ください: https://www.j-abc.com/blog/research-centre-forms-backbone-of-shinkansen-technologies-in-japan
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