本日付の日本経済新聞によれば、日立製作所はあらゆる部品から製品の性能向上や故障防止につながるデータを集める技術を開発したようです。米粒ほどの超小型センサーで金属などの素材に生じる変化を瞬時に検知します。すべての製品を接続する「モノのインターネット化(IoT、Internet of Things)」は工場の稼働を監視する用途が実用化しています。新技術は部品に生じるわずかな変化をとらえ、自動車のエンジン性能まで改善できるとのこと。IoTが身近な製品に入っていくきっかけになりそうです。
IoTはネット経由で機器の状態をデータ解析して、運用を効率化します。製造業への適用が先行し、工場で機械の稼働状況や生産ラインの作業の進捗管理に活用しています。鉱山でダンプトラックの稼働データを集め、スピードや配置を見直す使い方も進んでいます。 日本政府はIT(情報技術)を活用した産業競争力の強化に取り組み、IoTの支援に乗り出す方針。ドイツでは「インダストリー4.0」として工場のコスト削減を進め、米ゼネラル・エレクトリック(GE)はネット接続による高度な製造業への脱皮を掲げています。日米欧が国を挙げてIoTによる技術革新を取り込もうと競っている段階です。 日立のセンサーは半導体の技術を使う。縦2.5ミリ、横2.5ミリ、厚さ0.2ミリと超小型で、あらゆる部品に取り付けることができます。物体にかかる圧力で生じるひずみを信号に変えます。物体表面に貼り付けると形状変化から部品にかかる圧力や振動など多様なデータを計測できるとのことです。 素材の強度の計測に使う従来の機器に比べ2万5000倍の感度で形状の変化を検出し、消費電力も抑えました。例えば自動車のエンジン部品に組み込めば内部の圧力から、どの程度のガソリンを噴射したら最も適切なのかが分かります。従来品はサイズが大きく、自動車などへの搭載は難しかったようです。小型化により利用できる範囲が大幅に広がるとのこと。 米GEは航空機エンジンの回転数などを計測して保守業務に役立てているが、日立のセンサーは目に見えない部分も監視できるようになります。故障する前に部品交換を促す新しいサービスや保険の新商品を生み出すことも後押ししそうです。 日立は既に自転車部品大手のシマノ向けに出荷を始めました。電動アシスト自転車をスムーズに走らせる技術に活用しています。こぐ際の圧力を検出して無線通信でデータを送り、モーターを動かすための部品として利用し始めています。 建設機械やエレベーター、風力発電装置で故障を予測する実証試験も始めました。自動車や産業機械、医療、建築・土木分野では外部の企業や研究機関と共同開発しています。医療機器では手術中に血液を体内に送り込むポンプなどの稼働状態を監視する使い方を見込んでいます。 2020年度以降、年間100万個以上を販売し、500億円以上の売上高を目指します。日立は新型センサーで自社が顧客に提供するIoTのサービスも広げたい考えのようです。 http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ01I8Q_S5A700C1MM8000/
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