日本経済新聞によれば、IHIなどが相次いで水素エネルギーを低コストで活用するための技術開発に乗り出すようです。IHIは2020年ごろをメドに、常温で大量に運びやすいアンモニアを燃料に用いる水素発電設備を実用化することを目指します。千代田化工建設は燃料電池車に手軽に水素を供給できる装置を開発するようです。水素を低コストで活用できれば、普及に弾みが付きそうです。
温暖化対策の新たな国際的枠組み「パリ協定」が昨秋発効し、二酸化炭素(CO2)を排出しない水素への期待は高まっています。だが、日本では水素ステーションの設置費用はガソリンスタンドの4倍以上で全国に100カ所弱しかないのが現状です。燃料電池車の車両価格も700万円超と高く、電気自動車などに押され気味。現在は水素の体積を圧縮するためには、低温で液化する必要があるなどコストがかかっています。 IHIはアンモニアガスをメタンガスに20%混ぜて直接燃焼し、二酸化炭素の排出量を20%削減できる発電設備を開発します。アンモニアは水素分子を含んで燃焼するうえ、常温で体積を圧縮でき、大量に運びやすいのが特徴です。一方、燃えにくいためメタンガスとよく混ざるように関連装置を改良します。 年内に約10億円を投じ、横浜市内の研究施設にガスタービンやアンモニアのタンクなどの供給設備を設置。2018年度に実証実験を始める予定です。 千代田化工も水素を常温のまま大量に運び、手軽に燃料電池車に供給する装置を20年ごろをメドに開発します。 水素とトルエンを結合させて常温で貯蔵・輸送できるメチルシクロヘキサン(MCH)という化合物を精製して、体積を500分の1にして、タンカーなどで運ぶ予定です。水素ステーションで独自技術により、MCHから水素を取り出します。 装置の処理能力は1時間あたり30立方メートルを想定。将来的には複数の装置を組み合わせ、1時間あたり300立方メートルまで能力を高めるようです。燃料電池車は50立方メートルで満タンになります。今夏に2億~3億円をかけて実証装置を横浜市の研究所に設置する予定です。 川崎重工業は18年に液化水素を100トン程度積載可能な運搬船用タンクの建造を開始します。20年に運航を始め、オーストラリアからマイナス253度まで冷やして液化した水素を輸送する計画です。 水素エネルギー産業を軌道に乗せるにはコスト削減が必須。海外で安く生産・輸入し、20年代半ばには水素の製造コストを現在の半分以下にすることが求められています。 http://www.nikkei.com/article/DGXLZO13668810T00C17A3TJ1000/ この記事を英語で読みたい方は、こちらをご参照ください: https://www.j-abc.com/blog/-japanese-engineering-companies-developing-low-cost-hydrogen-tech
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