The Australian Financial Review紙によれば、農家の人々がスマートフォンから家畜を移動、監視することが出来ることが現実味を帯びてきているとのことです。
物理的な柵を使用せずに、牛を移動することが出来る手段が構築されれば、畜産ビジネスに大きな変化をもたらすことが出来ます。 この技術は、CSIRO(オーストラリア連邦科学産業研究機構)が10年程前に初めて開発をしましたが、10年の時を経てコストの面が解消し、実用化の目処が立ってきたようです。 CSIROのDavid Henry博士は、2005年からこの技術の開発を始め、この技術を利用して、家畜の移動を管理し、牧草地を最適に利用できるようにしたとのことです。 しかし当時は家畜に取り付けるGPS機器が高額でしたが、技術の進歩により価格が下がり、またスマートフォンの技術革新などにより、商業化できるレベルとなったようです。 GPS機器は、家畜1頭当たり1,000豪ドルと高額では導入は難しのですが、50豪ドル程度まで下げることが現実となってきているようです。 CSIROのマネージングダイレクターであるIan Reilly氏は、「柵を使わない畜産業」の初めての商業化実験を4週間かけて実施すると述べています。 その後、1年以内に初めての商品を市場で販売することを目指し、200万豪ドルの資金調達を行うことを考えています。 同氏は、「このような取り組みは、まだ世界では実施されていない。」と述べています。 同氏は、オーストラリアにいるすべての牛(約2,800万頭)の耳にタグをつけ、遠隔地から位置情報を入手し、放牧をコントロールすることが出来ると考えています。 農学者のMichael Moodie氏は、「このシステムによって牛の動きをコントロールできることにより、牧草マネジメントの効率性が上がり、必要とされる牧草地の大きさを減らすことが出来る。」と述べています。 また同氏は、「この技術によって、200エーカーの牧草地で約4,000豪ドルのコスト削減が見込むことが出来、これらの技術を使うであろう農家は、1万エーカーの牧草地を持っているケースが多いので、コスト削減額は膨大となる。」と述べています。 http://www.afr.com/news/special-reports/sheep-and-cattle-could-be-enclosed-by-virtual-fences-20160307-gnch4a この記事を英語で読みたい方は、こちらをご参照ください: http://www.j-abc.com/blog/-gps-technology-could-be-fitted-to-all-australian-livestock-in-the-future
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