日本経済新聞によれば、ANAホールディングス(HD)や丸紅などが民間宇宙旅行の実現を後押しするため、宇宙船の発着基地の国内開設を目指す新組織を設立しました。飛行機型の宇宙船の発着に必要な滑走路を持つ基地を2021年にも開設することを目指します。米国ではすでに約10カ所の商業用の基地があり、民間主導の宇宙ビジネス競争に立ち遅れない体制作りを目指します。
新組織は一般社団法人「スペースポート・ジャパン」(SPJ、東京・港)で16日に活動を始めます。代表理事には宇宙飛行士の山崎直子氏が就任しました。エアバス・ジャパンやスカパーJSAT、三井不動産などを含めて6社が参加しました。今後は大手建設会社などにも参加を呼び掛けていくようです。 民間の宇宙旅行は実現していませんが、各国で開発中の宇宙船は水平離着陸をする飛行機型と、垂直に打ち上げるロケット型があります。SPJは飛行機型の利用を想定し、3千メートル級の滑走路を持つ「スペースポート(宇宙港)」と呼ばれる発着基地の開設を目指します。 地方自治体や政府機関と連携し、宇宙港の候補地などを探ります。安全基準などを議論する国際会議にも参加します。着工に際しては建設や運営のための共同出資の株式会社を設立する見通しです。最初の宇宙港には訓練施設なども併設する予定です。 米国では民間の宇宙旅行の実現を目指し、空港からの転用や新設ですでに10カ所程度の商業用宇宙港があります。経済活性化策として州が運営する施設も多く、米ヴァージン・ギャラクティックがニューメキシコ州の宇宙港からの商業運航を目指しています。英国やイタリア、スペインにも宇宙港構想があります。 ANAHDは日本の宇宙船開発ベンチャーに出資するなど宇宙関連事業の強化を目指しています。衛星通信事業のスカパーJSATは宇宙分野の事業機会を探る狙いがあるようです。宇宙港をアジアで初めて開設し、将来の宇宙ビジネスで主導権を握ることを目指します。 ただ国内で宇宙旅行ビジネスの実現を目指すうえで課題となるのが法整備です。15日に全面施行された宇宙活動法は人工衛星の打ち上げや管理を想定したルールで、有人の宇宙船は想定されていません。ロケットエンジンを利用するため、航空法も適用外とみられます。宇宙港の許可制度なども未整備です。 米国では04年に改正された「商業宇宙打ち上げ法」で搭乗者の自己責任を原則として、一般人を対象とした有人宇宙飛行が認められました。欧州では英国で18年に「宇宙産業法」が成立しています。SPJは「適切な法整備を求めていく」(理事の新谷美保子弁護士)としています。 https://www.nikkei.com/article/DGKKZO37824170V11C18A1TJ3000/ この記事を英語で読みたい方は、こちらをご参照ください: https://www.j-abc.com/blog/ana-and-marubeni-join-to-build-spaceport-in-japan
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