The Australian Financial Review紙によれば、6月におけるオーストラリアの新築住宅販売件数が上昇したようです。住宅産業協会によれば、「オーストラリアの住宅市場の指標が最近思わしくなかったが、(季節的な販売要素も加わり、)6月はきちんと持ち直してきたことを示している」と述べているようです。
同協会によれば、6月における新築の一戸建ての販売件数は7.2%上昇し、マンション・タウンハウス・二戸建住宅は11.5%上昇し、1ヵ月間の販売件数の合計は7,873件となり、今年3月以降で最も良い数字となったということです。 今年6月までの1年間の新築住宅販売件数は91,803件で、前年の同時期における1年間の販売件数とほとんど変わらない結果となったようです。 また、6月の新築一戸建て販売件数については、オーストラリア本土のすべての州で上昇し、1ヵ月間の販売件数に関しては、これも1年前とほとんど変わらない数字となったようです。 同協会からは、5月の建設承認件数が5.2%減少したというデータが出ていますが、6月に関する最新データも近日中に公表される予定となっており、6月に関してはこの状況が改善されるという見方が出ています。同協会のチーフエコノミストであるHarley Dale氏は、「住宅販売の好調さが継続しているのは、住宅建設が今後急激に減少しているということではないことを示している。」と述べており、最近、BIS Shrapnel社が公表したレポートに記載されているような「オーストラリアの住宅ブームは、終焉」という内容を否定しています。 同氏は、「BIS Shrapnel社が述べているような、オーストラリアの住宅市場が危機的状況にあるというのとは少し違った見方を我々はしており、住宅市場において過剰な供給を行わないよう細心の注意を払っている状況だ。」と述べています。 同協会が公表したレポートは、住宅大手100社に行ったアンケートの結果によって作成されており、このレポートによれば、住宅市場については、地域によって市場の回復度合いが違ってきているようです。具体的には、ビクトリア州では、6月の新築販売件数が1年前の同時期と比べて17%上昇し、クイーンズランド州では7.1%上昇となっています。一方で、西オーストラリア州では27.5%の減少、そして南オーストラリア州でも21.4%の減少となっています。ニューサウスウェルズ州では、7.3%の減少となっており、主な要因として、住宅を初めて購入する人々が新築を購入できる金額を超えてしまったことが挙げられています。 同氏によれば、「(ニューサウスウェルズ州では)住宅を建設できる土地が不足していること、そして新築建設コストが上昇していることで、人々が新築を購入できなくなっているのであろう。」と述べています。 「ニューサウスウェルズ州では多くの住宅購入者がいるが、もし新築住宅の購入価格がもっと手の届く範囲となれば、古い家を手つかずで住んだり、リノベーションを行ったり、または既設住宅の価格をさらに上昇させるような取り組みを行うというよりは、むしろ新築を購入するであろう。」と述べています。 一方で、同協会のレポートでも新築マンションの今後の販売見通しについては、厳しい見方をしているようです。 「集合住宅の建設状況についての今後の見通しは、今後もしばらくはある程度は成長をしていくであろう。新築住宅販売件数における複合住宅が占める割合については非常に低いが、この推移は建設承認と非常によく似ている。住宅販売件数と建設承認件数のどちらのデータからも、今後の住宅件数がこの市場サイクルでどの程度建設されるかは分からない。ただし、複合住宅市場については、今後大きく減少していくリスクがある。」と述べています。 http://www.afr.com/real-estate/residential/ending-the-year-on-a-high-note-new-home-sales-rise-in-june-hia-says-20160801-gqi429 この記事を英語で読みたい方は、こちらをご参照ください: http://www.j-abc.com/blog/-australian-new-home-sales-rise-in-june
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