日本経済新聞によれば、2017年の農林水産物と食品の輸出額が5年連続で過去最高となる見通しです。健康志向や品質の良さを背景に日本の牛肉や緑茶などが好調で、1~11月の輸出額は前年同期を1割近く上回り、通年で初の8千億円台も視野に入ってきています。人口減少で国内市場が縮小するなか、新たな販路として海外市場が確立しつつあります。
農林水産省が12日に発表する17年1~11月の輸出額は、前年同期比約1割増の7200億円ほどとみられています。12月はここ数年、700億~800億円台で推移しており、17年通年では16年実績の7502億円を超える可能性が高いとのことです。 17年の輸出額を押し上げたのは農林水産物です。これまでは調味料やアルコール飲料など加工食品が全体のけん引役となっていましたが、牛肉や緑茶、イチゴといった農産物が新たな輸出産品として存在感を増しています。丸太など林産物も住宅用資材として中国向けの輸出が増えました。 サシ(脂肪分)の入った日本の牛肉はアジアで人気が高いようです。一部の国や地域に対しては日本で発生したBSE(牛海綿状脳症)などの影響で輸出ができませんでしたが、17年は台湾とマレーシアが日本産牛肉の輸入を解禁しました。 緑茶は1~11月の輸出額が3割近く増えました。製茶大手のハラダ製茶(静岡県島田市)の原田宗一郎社長は「米国などでは富裕層を中心に緑茶が健康食品として受け入れられている」と話しています。同社は米国と台湾向けに両国・地域の農薬規制などに適合した茶園を設け、積極的に輸出を拡大します。 日本産食材の海外需要は着実に広がりつつあります。17年に初めて開かれた日本食品の輸出に特化した展示会には約70カ国・地域から2800人超の仕入れ担当者が来場。3日間で約130億円の発注がありました。18年は4千人の仕入れ担当者を海外から呼び込むほか、出展社数を17年比で2倍となる600社に増やすようです。 海外では日本食の人気が高く、農林水産省によると、17年10月時点で海外にある日本食レストランは約11万8千店で、前回調査の15年と比べて約3割増えました。訪日外国人客の増加などで日本食を体験し好む人が増え、世界での店舗拡大につながっています。 政府は農林水産物と食品の輸出額を19年に1兆円まで増やす目標を掲げます。現在のペースで目標が達成できるかはまだ不透明ですが、各国で予定される関税撤廃などの追い風が吹きつつあります。 政府は米国を除く11カ国で大筋合意した環太平洋経済連携協定(TPP)の新協定「TPP11」と、日欧経済連携協定(EPA)を19年に発効することをめざしています。両協定が発効すれば、日本からの農産品の大半で関税が撤廃されます。オーストラリアも日本産の牛肉やイチゴの輸入を解禁する方向で調整しています。 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO25507610Q8A110C1EE8000/ この記事を英語で読みたい方は、こちらをご参照ください: https://www.j-abc.com/blog/japans-farm-and-food-exports-seen-breaking-record-in-2017
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