日本経済新聞によれば、トヨタ自動車のグループ4社が共同で自動運転の中核技術の外販に乗り出します。デンソーやアイシン精機などが年内にも新会社を設立。自動運転車の中核となる制御システムを開発し、世界の大手メーカーや新興企業に販売します。自動運転は電動化と並び次世代の競争力を占う分野で、米グーグルなど異業種も開発を競います。かつて自動車大手は中核技術を囲い込むことで競争力を保ってきましたが、外販を積極化し次世代車で標準を握る方策を探ります。
新会社は電装品に強いデンソーと変速機などの駆動部品を手掛けるアイシン、ステアリングのジェイテクト、アイシン子会社でブレーキ事業を手掛けるアドヴィックスの4社で設立します。デンソーが過半出資する方向で調整しています。 自動運転車は周囲の状況を認知し、人間の脳のように判断をして車の操作を指示する技術が中核となります。全体を制御する自動運転システムの開発競争が激化しています。独ボッシュや同コンチネンタルといった世界の部品大手が車メーカーに提案を始めており、グーグル系や中国の百度(バイドゥ)も人工知能(AI)の技術を軸に参入を目指します。 トヨタはAIなど最先端技術を開発する研究所を16年に米シリコンバレーに設立。今年3月にはそうしたAI技術を車に実装するためのソフトウエア開発を手がける研究会社を都内に設けました。今回の新会社はこうした技術を市販車に搭載させる役割を担います。先端技術である「上流」から実用化に近い「下流」まで一貫して手掛けるグループの体制が整うことになります。 具体的には、新会社はAIの判断をもとに車のハンドルやアクセル、ブレーキなどを素早く正確に自動で動かす基盤技術を開発します。センサーから半導体、駆動系部品までまとめて提供することで、他社が搭載しやすくします。 かつて日本勢が高い世界シェアを持ったパソコン分野では、中核技術を担う米インテルや米マイクロソフトに支配権が移りました。電気自動車(EV)も含めた次世代車開発ではグーグルなど業界の垣根を越えた競争が激しくなっています。自動車業界ではパソコン同様に既存メーカーが力を失うことへの危機感は強い。 新会社は欧米や中国の自動車大手、新興メーカーなど幅広い企業への外販を目指し、次世代車で業界標準となるような技術の蓄積を目指します。 トヨタは20年にも高速道路で車線変更などができる自動運転技術を実用化し、高級車「レクサス」に搭載する計画です。20年代前半には一般道での実用化に加え、エリアを限定して完全自動運転ができる「レベル4」の技術確立を目指しています。 https://www.nikkei.com/article/DGKKZO34597400V20C18A8MM8000/ この記事を英語で読みたい方は、こちらをご参照ください: https://www.j-abc.com/blog/toyota-group-companies-to-team-up-on-self-driving-tech
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