日本経済新聞によれば、河野太郎外相は25日、日本経済新聞のインタビューで、日米豪印4カ国の首脳級でつくる戦略対話の実現をめざす考えを表明しました。アジアの南シナ海からインド洋を経て、アフリカに至る海域を対象に、4カ国で自由貿易の推進や防衛協力を進めるようです。広域経済圏構想「一帯一路」を掲げて海洋進出を強める中国に対抗する狙いがあります。
河野氏は8月にマニラでティラーソン米国務長官、オーストラリアのビショップ外相と会談した際に4カ国戦略対話について意見交換しました。英仏両国の外相にもすでに連携を打診したということです。11月6日の日米首脳会談でも安倍晋三首相が4カ国の戦略対話を提起し、トランプ米大統領の理解を得る考えです。 河野氏はインタビューで「日本も戦略的に大きな絵を描いて外交努力をしていかないといけない時代だ」と強調しました。中国は共産党大会で最高指導部人事が固まり、2期目の習近平国家主席が強い権力を握ります。こうした世界情勢を踏まえた戦略です。 河野氏は戦略対話の意義について、潜在的な経済成長率の高いアジアやアフリカの開発を支援するためと指摘。「自由で開かれた海洋を維持していくため、経済や安全保障も当然テーブルに載せる」と語りました。まずは局長級の対話から始め、来年にかけて外相級、首脳級に引き上げる環境を整えていく意向を示しました。 戦略対話の下敷きとなっているのは、安倍晋三首相が2016年に打ち出した「自由で開かれたインド太平洋戦略」です。経済成長が著しいアジアとアフリカを経済的要衝と位置づけ、政府開発援助(ODA)などを活用して民間投資を引き込み、開発を集中的に後押ししていく構想です。 戦略対話の柱の1つが自由貿易の推進です。日本がオバマ米政権下で参加を決めた環太平洋経済連携協定(TPP)は、日米が中心となって自由貿易と安全保障のルールづくりを担う狙いがありました。しかし、トランプ政権が脱退を決め、TPPは漂流しています。 安全保障面の狙いについて、河野氏は「海洋の航行の自由を維持していくのは安全保障上の大きな話題だ」と語ります。「自由で開かれた海洋は『一帯一路』を推進する中国を含む全ての国にメリットがある」と述べました。利益をともにする4カ国や英仏とともに、中国が軍事拠点化を進める南シナ海などで航行の自由を確保するルールづくりを主導します。 日米豪印4カ国の枠組みは、第1次安倍政権が推し進めようとしましたが、中国の反発で頓挫した経緯があります。現在は「日米豪」が閣僚級、「日豪印」が次官級の枠組みで対話をしています。「日米印」は防衛交流を進めており、昨年は沖縄周辺、今年はベンガル湾で自衛隊が参加する共同海上訓練「マラバール」を実施しました。 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22692990V21C17A0000000/?dg=1 この記事を英語で読みたい方は、こちらをご参照ください: https://www.j-abc.com/blog/japan-to-propose-dialogue-with-us-india-and-australia
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