日本経済新聞によれば、農林水産省は輸出向けに低コストのコメ栽培技術を開発するようです。大量に収穫できる品種を活用したり、自動運転トラクターなどIT(情報技術)を生かしたりすることで生産コストの4割超の削減を目指します。日本のコメはアジアで販売が伸びていますが、価格の高さから高級外食店などに売り先が限られています。国内需要は減少が続いており、安価なコメの栽培技術を確立して海外市場を開拓するようです。
今春から2年間、宮城・茨城・福井・岐阜の4カ所で、農家や企業、自治体などのグループが実証試験をする。国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)が成果をまとめ、普及につなげる。 コスト削減の柱の一つは労働負担の少ない栽培方法の開発だ。通常は10アールあたり544キログラム程度のコメがとれるが、近年は同720キログラムが収穫できる品種がある。稲を植えるのではなくタネを直接水田にまく直播栽培の研究も進んでおり、いずれも収穫までに必要な労働力の軽減につながる。 もう一つのポイントはITの活用だ。農業用ドローンを使い、必要な苗へ自動的に肥料や農薬を散布することで、無駄な農薬投入を減らすほか、農家の負担も軽減させる。自動運転トラクターなども活用し、広い農地を効率的に耕す工夫もする。 農水省によると、2018年のコメの輸出量は1万3794トンで、前年に比べ16%伸びた。特に香港やシンガポール向けが多いほか、中国向けも足元で伸びている。輸出数量は10年に比べ7倍の規模に拡大している。 足元の輸出は主食用米の生産量(18年産733万トン)に比べて1%にも満たないが、海外市場の重要性は高まっている。国内では若者を中心にコメ離れに歯止めがかからず、需要が毎年10万トンのペースで減っているためだ。 現在輸出しているコメは1キログラムあたり600円以上の価格帯が中心で、海外で食べているのは主に高所得者層という。今後、コスト削減で同300~600円程度まで引き下げることができれば、中国で展開する日系外食チェーン店など幅広い層に売り込みが可能と農水省はみている。 低コスト米の技術確立は従来の品種改良などの流れと大きく異なる。 これまでは国内で生産されるコメが余り、減反を通じて生産調整をしていたことから、国や自治体は今まで低コストでのコメの増産技術には積極的に取り組むのが難しく、コメ栽培の研究は味の良い品種をどう作るかが中心だった。 だが、近年は日本食ブームを背景に、海外が日本米の有望市場になってきた。農水省はITを活用したスマート農業も活用し、海外でも価格競争力のあるコメの栽培技術の確立を目指す。 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44074570T20C19A4MM0000/ この記事を英語で読みたい方は、こちらをご参照ください: https://www.j-abc.com/blog/japan-looks-to-drones-self-driving-tractors-to-lift-rice-exports
0 Comments
Leave a Reply. |
ニュースレター
配信登録 著者木名瀬 晴彦 アーカイブ
January 2021
カテゴリー
All
|
Getting Around
|