東京・日比谷に先日オープンした「TOHOシネマズ日比谷」は、「映画の宮殿」を打ち出します。3千円の追加料金で、ゆったりと革製リクライニングシートで鑑賞できます。通常の1・2倍の大きさとなる幅約20メートルの大スクリーンや、日本初の音響設備も一部で導入。広報担当者は「特別感、高級感を演出した。非日常感が味わえる」ということです。
東京・お台場にあるユナイテッド・シネマ。29日に上映されていたアクション映画では、カーチェイスが始まると突然、正面のスクリーンに加え、左右の壁に映像が映し出されました。高速で過ぎ去る夜の街並みは迫力満点です。3面のスクリーンを使った上映設備は、同館が日本で唯一導入。同社の広報担当者は「現場にいるかのような究極の臨場感が味わえる」と話します。
イオンシネマは映像や音楽に合わせて座席が揺れたり、風が吹いたりする「4DX」をここ3年で7館に導入しました。福岡・博多のユナイテッド・シネマでは、ハンバーグやカレーなどの本格的な料理をテーブルに運んでもらえ、食べながら映画を楽しめます。
他にも、「ペンライト 歓声OK」を打ち出したり、大音量で迫力を感じさせたり。
背景には危機感があります。90年代後半から大手運営会社による映画館の再編が進み、設備にお金をかけたシネコンが登場。17年のスクリーン数は5年前より7%増えました。一方で、入場者数は、近年はほぼ横ばいです。
また、米ネットフリックスなど、定額料金の動画配信サイトの利用者も急増。「映画館は、自宅では体験できない非日常感を強調する必要が強まっている」(ユナイテッド・シネマ広報)ということです。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13427306.html?iref=pc_ss_date
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https://www.j-abc.com/blog/movie-complexes-crank-up-the-realism-to-fight-online-services-in-japan