本日付のThe Australian Financial Review紙によれば、2013年までの10年間で、オーストラリアからの貿易輸出額は、1兆米ドル程さらに増加しました。これは、中国向けの輸出が非常に増えたのが要因です。
メルボルン大学教授のRoss Garnaut氏は、「オーストラリアは、2003年からの(輸出)ブームにより大きな利益あげて繁栄してきました。しかし、最近の中国での経済成長の減速から、オーストラリアの資源ブームが終わるという現実が突きつけられています。」と話しています。 オーストラリア経済を成長させ、雇用を創出するため、我々は、観光、教育、そして過去最も低い金利を背景とした住宅用建設に依存しているのが現状です。 オーストラリア政府が抱える純債務に対するGDPの比率は、最近悪化しているものの、ブルームバーグ社がまとめたデータによると、世界トップ10の先進国の中でこの数字は最低とのことです。つまり、オーストラリアは、債券発行を通じてインフラ支出に資金を供給できる能力を持っていると言えます。 一方で、オーストラリアの家計で蓄えられた富の多くは民間の年金制度に委ねられていて、その総額は 1兆9千億ドルとなり、これは世界第4位の水準です。また、オーストラリアの国全体における住宅市場は現在、5兆7千万ドルの価値で評価され、これは世界第4位の水準です。 しかし、オーストラリアの家計で抱えている債務については頭が痛い問題です。家計収入の153.8パーセント(これは過去最高の水準)の債務負担を抱え込んでおり、オーストラリア政府も、商品価格が低迷し、税制改革があまり進行していないなど苦労している状況です。 2007年度は、現首相のアボット氏が大臣職に就いていた時代で、8千万ドル程をかけて、ベビーボーナス(出産ボーナス)、年金受給者や家族への手当の拡充を行いました。その結果、現在よりも5%高い、7.25%まで政策金利が上昇しました。 オーストラリアは2003年から2013年の間に200万人の移住者が増え、これは総人口の10分の1にあたり、これにより都市部が成長していますが、移住者が増え、人口も増加しているにもかかわらず、新しいインフラはほとんど開発がされていない状況です。国道は、片側1車線のままの箇所も多く存在し、鉄道網も1960年以降、大きな開発は進んでいないのです。 インフラストラクチャーオーストラリアの、会長であるMark Birrell氏は、「シドニーは、シドニー湾の地下を通る新たな鉄道、またメルボルンも、ビジネス中心街の地下を通る鉄道の新たな敷設が必要です 。このような大規模なインフラ開発はこれまで十分に検討されてこなかった。」と話しています。 24年間成長を続ける豪州、今後はどうなるのでしょうか? Economist誌によれば、「これまでの歴史を見れば、オーストラリアは、逆境に対しては世界でも最も良い成果をあげてきたが、順境に対しての政策は、世界で最も悪い成果をあげている・・。」と要約しています。 http://www.afr.com/news/economy/how-australia-squandered-the-commodities-boom-20150424-1ms8hk
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