最近の日本経済新聞によれば、環境省は国立公園に外国人客を呼び込むため、新たな利用促進に乗り出すようです。自然を生かした国際的なスポーツイベントを開いたり、湿原などを観察しやすくしたりして魅力を世界に発信します。環境保護と両立しながら訪日観光客を呼び込みます。政府は成長戦略の一つとして観光振興に力を入れており、2020年までに外国人利用客を現在の2倍強の年間1000万人に拡大するのが目標です。
今夏までに「国立公園満喫プロジェクト」を始め、5カ所程度の国立公園を選ぶ方針です。21日に丸川珠代環境相と観光庁の田村明比古長官が候補地の一つである阿寒国立公園(北海道)を視察し、地元の要望などを聞きました。環境省内に利用促進のための有識者検討会を設け、4月から具体的な議論を始めるとのことです。 満喫プロジェクトでは雄大な自然を生かした自転車競技やパラセーリングなどのイベントを開いたり、音楽祭や映画祭などを誘致したりする計画です。自然体験や伝統文化に触れる公園内ツアーを旅行業者と企画します。 また、貴重な自然に触れる機会を増やすため、従来観察できなかった原生林や湿原などに入れるようにします。通訳ガイド付きで人数は限定します。公園の案内役を増やし、温泉の効能などを説明する外国語のパンフレットも作り、海外でも情報を発信。観光庁との連携も強めるとのことです。 全国に55カ所ある国直轄のビジターセンターに公衆無線LAN「Wi―Fi(ワイファイ)」を導入し、通信環境も整備します。国立公園内にホテルなども誘致する考えです。 国立公園では自然公園法に基づき商業施設などを建てることが可能です。たとえば、富士箱根伊豆国立公園(神奈川県など)にはホテルも建設されています。現在は環境省が利用計画を作り、事業者に対して認可しています。ただ、ホテルに付随する会議室やホール、飲食店などの商業施設については明確な基準がなかったのが問題でした。今回、事業者の参入を促す仕組みを整えるようです。 国立公園は全国に32カ所あり、環境省によると、外国人客は年々増える傾向にあり、15年は430万人に上りました。温泉利用などを目的に訪れるケースが多いようです。 環境省はこれまで自然保護を重視して国立公園を運営してきました。ただ、魅力を十分に生かし切れていないとの指摘もあり、保護と利用促進を両立させる運営方法に転換し、観光振興につなげるようです。 米国の国立公園では、自然を保護しながら観光客を増やしています。米北西部にあるイエローストン国立公園などをモデルにして、ハードとソフトの両面から魅力を発信します。 観光庁のデータをもとにした環境省の試算では、外国人利用客が年1000万人に増えれば、年間で約1兆円の経済効果が期待できるといいます。 http://www.nikkei.com/article/DGXLASGG19H09_Z10C16A3MM0000/ この記事を英語で読みたい方は、こちらをご参照ください: http://www.j-abc.com/blog/-japan-national-parks-to-draw-foreign-tourists
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