本日付の日本経済新聞によれば、自民党税制調査会は2016年度からの3年間、中小企業が新たに購入する機械などにかける固定資産税を50%軽減する方針のようです。160万円以上の機械や装置が減税の対象で、年間の購入総額で見ると1兆円を超える設備に適用します。黒字の大企業が主な対象となる法人実効税率引き下げと両輪で、国内の設備投資を後押しする狙いがあるようです。
経済産業省と総務省の案を自民党税調が受け入れ、10日にまとめる予定の与党税制改正大綱に盛り込むとのことです。中小企業庁が検討中の中小企業の生産性向上促進に向けた新法で制度化します。 国内の中小企業約250万社の設備投資額は160万円以上の機械が9割を占めます。今回、減税の対象となる機械だけでも額は14年度で1兆460億円に達します。減税の適用を受ける中小企業数は3年間で数十万社単位に上り、減税の規模は年間100億円程度となる見通しです。 政府・与党が固定資産税の軽減に踏み切るのは中小企業全体の7割近くを占める赤字中小企業の負担を軽くする狙いがあります。黒字企業が対象となる法人税引き下げの恩恵を得られないためです。 甘利明経済財政・再生相は6日、都内で記者団に「(新規に投入した設備について)固定資産税の減免措置をかけると、赤字法人でも設備投資のメリットが出てくる」と強調しました。 既に来年度に20%台に引き下げることが固まった法人実効税率に加え、地方の中小企業にも幅広く効果が及ぶ税制上の措置が必要と判断したようです。 英国やフランスなどの欧州諸国、中国や韓国は企業が持つ機械に固定資産税をかけていない。償却対象の資産に税をかけない国際的な流れに合わせる側面もあるようです。 減税の対象になるのは、資本金1億円以下の中小企業が新たに工場などに導入する160万円以上の製造機械や加工機械、発電機といった機械・装置。通常は評価額に応じて年1.4%かかる固定資産税を50%割り引くとのことです。 減税の適用には、購入により時間あたりの生産量やエネルギー効率などのいずれかが1%以上高まることも条件となります。古くなった設備を最新の機械に入れ替える場合などが想定され、政府は中小企業の生産効率の上昇や電力消費の減少につながるとみています。 例えば、16年に機械を買った企業は、17年度から19年度までの3年間減税を受けられます。償却により資産価値が目減りした4年目以降は通常の課税に戻ります。 ただ、機械装置に対する固定資産税の規模は全体で5500億円に達します。これを一度に廃止すれば、固定資産税を収入源とする地方自治体の財政への影響が大きくなる。そのため、減税対象を新たな機械装置に限定し、期間も3年間の時限措置としたようです。 安倍政権は設備投資の拡大や賃上げなどを通じて、国内総生産(GDP)を600兆円に引き上げる目標を掲げています。目標の達成には都市部だけでなく、地方の経済の底上げも必要になります。政府は減税を設備更新に踏み切るきっかけにしてもらい、中小企業の割合が高い地方でも投資額を増やしたい考えです。 短期的には地方自治体の固定資産税が減る要因になるものの、課税対象となる固定資産が増えていけば中長期的には税収増につながる効果も期待できるとみています。 http://www.nikkei.com/article/DGXLASDF06H01_W5A201C1MM8000/ この記事を英語で読みたい方は、こちらをご参照ください。: http://www.j-abc.com/blog/-japan-to-ease-tax-burden-on-smaller-businesses
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