本日付の日本経済新聞によれば、国内ベンチャー(VB)への投資が膨らんでいるようです。2015年に未上場VBが調達した資金は1400億円を突破。ライブドア事件やリーマン・ショックの影響で低迷する前の水準に回復しました。国の支援による大学発ベンチャーキャピタル(VC)の投資も伸びており、16年も高水準のペースが続いています。VBと新規事業の立ち上げを狙う事業会社に加え、低金利を背景に金融機関からも資金が流れ込んでいます。
調査会社のジャパンベンチャーリサーチ(JVR、東京・港)によると、15年の国内VBの資金調達額は前年より約1割伸びて1400億円を超えました。この水準はITバブル後のピークだった06年以来になります。調査は約8000社を対象に報道発表や資本金の変動などから調達額を積算しました。 07年以降は前年のライブドアの粉飾決算やVBの不正会計事件などの影響で投資が減速。リーマン・ショック後の09~13年は600億~700億円台に低迷していました。 11年にリーマン・ショック前の水準に回復した米国には遅れたものの、外部の技術やアイデアを取り込もうとする事業会社が、コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)を相次ぎ設立。低金利のなか金融機関も投資に積極的になっています。 駐車場最大手のパーク24は投資子会社タイムズイノベーションキャピタルを設立。昨年12月には2社目となるIoT(モノのインターネット化)技術を持つVBに投資しました。ファンドの総額は30億円。駐車場やカーシェアリングを応用した「未来の交通インフラサービスの開発をめざす」とのことです。 M&A(合併・買収)助言のレコフ(東京・千代田)によると、CVCの15年の国内VB向け投資は248億円と前年比5.3倍に膨らんだとのことです。 合成クモの糸を開発するスパイバー(山形県鶴岡市)もゴールドウインなどから約100億円を調達しました。耐久性と伸縮性に優れた繊維でスポーツ衣料を開発します。事業化までに時間とコストがかかる技術系VBは投資先として敬遠される傾向がありましたが「リスクマネーが流れ込むようになってきた」(大手VC)とのことです。 16年に入っても企業や金融機関の投資意欲は衰えていないようです。足元では株価が乱高下していますが、JVRによると1月~2月16日に3億円以上の資金調達をしたVBは14社と昨年を上回るとのことです。 三菱UFJキャピタル(東京・中央)も16年は前年並みの35億円を投資するようです。西浦敦士企画部長は「市場に多くの資金が流れ込んでいるため、投資先の評価額は下がっていない」と話しています。 大学発VCも今年のVB投資を下支えします。東京理科大学は15日、投資顧問会社のアストマックスと40億円規模のファンドを設立しました。16年上半期には大型ファンドが相次ぎ立ち上がります。1月に京都大学が160億円規模で設立。東京大学も国が交付した417億円を活用する予定です。 http://www.nikkei.com/article/DGXLZO97522130Q6A220C1TJE000/ この記事を英語で読みたい方は、こちらをご参照ください。: http://www.j-abc.com/blog/-japanese-investors-turn-bullish-on-new-japanese-companies
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