アボット首相は、「もし北部地域が活性化すれば、オーストラリア全体が活性化する。そのために、我々は北部地域でのビジネスの運営コストを下げ、投資と働く場所としてより魅力的な地域にしていく」と述べました。
首相は、2060年までに北部(西オーストラリア州、北部準州、クイーンズランド)の人口を、現在の100万人から500万人に増やすことを目標としているようです。
北部地域開発の今後20年間のプランとして、豪州連邦政府は、貯水施設整備のために約190億円、道路の整備に約570億円の予算を用意するようです。
その他のプロジェクトとしては、海外の投資家向けのフォーラムをダーウィンで開催、共同リサーチセンターの開発(約70億円)、トロピカルヘルスプロジェクト(約14億円)、先住民の警備隊のための約11億円などが、プランとして挙がっています。
また、ウォーレン・トラス副首相は、北部地域に投資が促されるよう、ビジネスを促進する取り組みを、政府として取り組んでいくと言っています。
北部地域に、労働者を呼び寄せるための取り組みも行われる予定です。海外からのワーキングホリデーで来る労働者に対して、北部地域に滞在する場合は、通常1年間の滞在期間を3年に延長し、また、旅行者を増やすために、3年間のmultiple entry visa(複数回、豪州への渡航が可能なビザ)も、10年間に延長することが可能になるようです。
カンタス航空社長のアラン・ジョイス氏は、北部地域の開発と急成長を遂げているアジア諸国を新たに結ぶ航空事業に、連邦政府と一緒に検討していくことを楽しみにしているとのことです。
中国商務部副部長のWang Shouwen氏は、「オーストラリア北部地域について、農業、食品加工、インフラにビジネス機会があるとみている」と話しています。
また同氏は、「中国は世界で3番目に大きな投資国(投資を行う国)であり、オーストラリアの農業や食品加工の投資にも、非常に興味がある。また中国は、インフラに強く、これが(オーストラリア北部地域への)更なる投資を広げるために役立つかもしれない。」と話しています。
http://www.afr.com/news/politics/northern-australia-plan-china-backs-economic-powerhouse-20150618-ghreyc